東京・上野にある国立科学博物館(本館)に行ってきました。
「国立科学博物館」は、運営資金を募るクラウドファンディングを開始し、2023年11月5日現在、目標金額の9倍となる9億円を突破し、国内市場の最高額を更新しています。
今回は、そんな「国立科学博物館」の植物から恐竜までの見どころをご紹介いたします。
※2020年の訪問記です。
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国立科学博物館
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上野・国立科学博物館 (科博/かはく) は、日本で唯一の国立の総合科学博物館です。
前身は、1877年に創立された教育博物館。上野恩賜公園内にある上野本館の他に、東京都港区の付属自然教育園、つくば市のつくば植物園の3つの施設があります。
今回は、上野本館に行ってきました。
館内は、日本の歴史が振り返れる「日本館」と、生物や科学についての展示を鑑賞できる「地球館」の2つに分かれています。国の重要文化財に指定されている貴重な資料や貯蔵物を数多く抱えており、いつも混んでいる人気の博物館です。
アクセス
- JR「上野」駅公園口から徒歩4分
- 東京メトロ日比谷線・銀座線「上野」駅7番出口から徒歩10分
- 京成線「京成上野」駅正面口から徒歩10分
私は、東京メトロで行きました。以下、そのようすです。
日比谷線・銀座線「上野」駅7番出口から出てまっすぐ歩き、信号を渡ったら右手側に進みます。
木々が茂っている前に横断歩道があり、そのすぐそば (左側) に「国立科学博物館」方面へ階段とつながっている「階段」と「エレベーター」があります。ちなみに、東京国立博物館や上野公園も同じ道順です。
あとは、案内に沿って、自然いっぱいの上野恩賜公園内を歩けば到着します。
特別展は日時予約 が必要です。個人や少人数で常設展へ置く場合。予約は不要です(2023年8月現在)。
国立科学博物館の入館時間は、時期によっても前後するので、詳細は公式サイトでご確認ください。
地球館
最初に、2017年にリニューアルした地球館の常設展を見学しました。
地球館は、地球の多様な生き物がお互いに深く関わりあって生きている姿、地球環境の変動の中で生命が誕生と絶滅を繰り返しながら進化してきた道のり、そして、人類の知恵の歴史を展示しています。
地球館へのアクセス
一度外に出て隣の建物 (地球館) に入ります。地球館の北側部分(地下3階、地下1階~3階)は、分かりやすい展示が増えていました。
地球史ナビゲーター(1階)
巨大な3つのスクリーンでは、宇宙史、生命史、人間史の138憶年の変遷がアニメーションで映しだされています。そのスクリーンに囲まれた部屋の中心には、隕石や恐竜の骨格標本があります。
隕石はアルゼンチンで発見された「カンポ デル シエロ隕石」、骨格標本は「アロサウルス」で、これは日本に初めてやってきた骨格標本です。
多様な生き物たち
隣の部屋には、多くの種に分かれて進化してきた生物が展示されています。これは、ジグソーパズルのように平面を埋めるヤツデの葉です。
一本のヤツデの枝には、10枚以上の葉がついています。
それぞれの葉の大きさは微妙に違い、葉どうしが重ならないよう、皆で効率よく光を受け取ることができるようになっています。
その隣には、樹齢255年の秋田杉が飾られていました。樹高は、48.5mです。
スギは、高く伸びることで空間を活かしきっている樹木です。
1階の一番奥の部屋には、骨格標本と剥製がありました。
ここには面白い仕掛けがあります。指定された位置に立つと、標本に交じって、自分が展示されます。ホモサピエンス・属性/おばさん・笑。
一周してスクリーンの裏から戻る最後は、海の生物 (標本) コーナーです。
見上げると、ジンベエザメがいました!その大きさに圧倒されますが、腹部分にいたコバンザメも必見です。
地球環境の変動と生物の進化
科学博物館といえば恐竜!とイメージする人も多いかと思いますが、地下1階の恐竜フロアも2015年7月の展示でリニューアルしました。
科博のパンフレットにも載っているこの展示は、「ティラノサウルス」が「トリケラトプス」を狩ろうと狙っているシーンを再現しているそうです。そうイメージしながら見ていると、ジャングルの中で恐竜たちを見ている気分になってきました。
地球環境の変動と生物の進化
地下2階には、恐竜の絶滅後に発展した哺乳類が展示されています。
このチャン (ツァン) へオテリウム (学名:cf. Zhangheotherium sp. ) は、大きさ8㎝の哺乳類です。
白亜紀前期 (約1億3000 万年前) の中国に生息していた相称歯類という仲間だそうです。
これまでに発見されている相称歯類の中ではもっとも保存のよい標本のひとつで、岩板の上に押しつぶされたようになっている化石をもとに、個々の骨をコンピューターを使って復元したそうです。
自然のしくみを探る
地下3階は、私たちの視野を広げてくれ、自然についての理解を変えてきた研究の成果と、それらに貢献した方々が紹介されていました。
懐かしい、元素の周期表もありました。ここは一番空いていて、思う存分見学できます。
科学と技術の歩み
2階へ上がってみます。すると、入り口には「香りの魅力」という展示ブースがありました(2020年6月現在)。
大分県や京都府にある香りの博物館も紹介されていましたので、いつか行ってみたいと思います。
その隣には、1964年から稼働していた「座席予約システム・マルス101」が紹介されていました。
これは、国鉄 (現JR) が、「みどりの窓口」で座席予約業務を始めた時のコンピューターです。全国の主要駅 (467カ所の端末) から電話回線で直接コンピューターを操作できる日本初のオンラインシステムで、1971年まで使用されていたそうです。
小惑星探査機「はやぶさ」の実物大復元模型です。これは、映画「はやぶさ遥かなる帰還」の撮影用に製作され、寄贈されたものです。
この時は、ほぼ貸し切りで、じっくり見学できました。
古地図など
古い時代の地図もありました。
以前、ルーブルアブダビで見かけた1690年の地図と似ている気がしますが、それよりは新しいのかしら?年代を見てくるのを忘れました。
こちらが、ルーブルアブダビの地図です👇
少し違いましたが、どちらも素敵な古地図です。
江戸期の和時計技術の最高峰と言われている「万年時計」。
1851 (嘉永4) 年に作られました。田中久重氏が、その持てる技術の全てを傾注した和時計の最高傑作で、太陽や月が自動運行する天象儀が備えられています。当時の職人による美術工芸的にも優れたものになっています。
コンパス
地球館の3階には、コンパス・遊びの広場があります(私が行ったときは閉鎖していました)
屋上にはハーブガーデンやスカイデッキもあり、お天気がいい時は開放されるようです。
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日本館
日本館は、1931(昭和6)年に竣工した「国指定重要文化財です。
ネオルネサンス様式を基調とした建物で、当時の科学技術の象徴であった飛行模型のデザインとなっています。中央部分は吹き抜けになっており、周囲の廊下には休憩できる場所もありました。
館内中央の吹き抜けになっている場所で上を見上げると、ステンドグラスから注ぐ光と真っ白な天井が織りなす幻想的な景色が見られます。
国立科学博物館は、展示物はもとより、建物も素敵なのです。
白壁のドームと柔らかな光が差し込むステンドグラス、そして細部にもこだわった美しい内装です。
ぼーっと見ていると、時が経つのを忘れてしまいそうでした。
フーコの振り子
また、日本館のB1Fには大きな振り子「フーコの振り子」があります。
この振り子は、地球の自転を目で見て確認できる展示です。フーコと呼ばれる学者が開発したこの装置は、長い糸の先に質量の大きな重りを付けた一見単純な作りの装置ですが、振り子の下の番には数字が描かれ、振り子が通過する数字が一日を通して丁度、番を一周するように作られています。
日本列島について
上の階に行ってみます。「我々はどれだけ、この日本列島のことを知っているのだろうか?」という問いかけのもと、日本列島の自然と生い立ち、暮らす生き物の進化、日本人の形成過程、そして自然とのかかわりの歴史が展示されていました。
日本列島における人口分布図もありました。実際に見てみると、首都圏の一極集中は凄まじいと感じました。
日本の鉱石・隕石
日本の鉱石や日本に落下した隕石も展示されていました。
実は、鉱石好きなのです。
磨かれたものより元の姿が好きなので、ずーっと見ていても飽きませんでした。
薄く緑がかった石が好きなのですが、この日一番惹かれたのは「あられ石」でした。炭酸塩鉱物の一種で、スペイン・アラゴン州周辺で双晶が多く出たことから、アラゴナイトとも言われています。
別の部屋には、琥珀 (こはく) も展示されていました。琥珀は、樹脂が地中に埋没して長い年月をかけて固化したもので、美しいものは装飾品として利用されています。
琥珀の中に、昆虫やクモなどの小動物が含まれていることがあり、生物進化の謎を解く貴重な情報源にもなっています。また、香 (こう) の原料になったり、医療品としても使われていたそうです。
ヨーロッパでは魔除けとしても使われているそうで、私は、バルト三国で買った琥珀をお守り代わりに持っています。
フタバスズキリュウ
日本館で必ず見たいのがフタバスズキリュウです。
恐竜じゃないの?と思った方もいらっしゃるかもしれません。フタバスズキリュウは爬虫類ですが恐竜ではないのです。 大昔の爬虫類はすべて恐竜であるというわけではありません。恐竜たちが暮らしていた中生代という時代には、陸でも空でも海でも多種多様な爬虫類が繁栄しました。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/310551.html
実際に見るまで、ずーっと恐竜だと思っていました。
フタバスズキリュウは、恐竜時代の海に住んでいた首長竜の一種で全長は少なくとも6mはあったそうで「ひれ」のような手足で海を泳いでいたそうです。
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さいごに
最後は、シロナガスクジラの模型が飾られているほうから出ました。最後の最後まで、大満足の国立科学博物館でした。
ところで、国立科学博物館では、2023年8月7日現在、クラウドファンディング募っています。
これからも安定的に標本・資料を収集し、多様なコレクションを適切に保管しつづける体制を維持するため、そして、将来の「調査研究」、「展示・学習支援」活動に影響が出ることを防ぐため、いま、ご支援が必要です。そこでこのたび、当館史上最高額となる「目標金額1億円」のクラウドファンディングに挑戦することを決めました。(”地球の宝を守れ”より抜粋)
詳しくはこちらをどうぞ >>> 地球の宝を守れ
私も、微力ながら地球の宝を守るために協力いたしました。この輪が少しでも多くの人に広がりますように。
最後までご覧いただきありがとうございます。