米麹 (こめこうじ) だけで作った甘酒をご存じでしょうか。
文字通り、米麹と水 (お湯)だけで作られた甘酒です。お米と米麹で作る甘酒に比べると、さっぱりとした味わいが特徴です。
その米麹甘酒に市販のダークチョコレートを加えると、簡単に生チョコレートを作ることができます。
初心者でも、しっとり食感で濃厚な味わいのスイーツを作ることができました。
※ 初めて "米麹甘酒生チョコレート" を作りましたので、決して美しい出来栄えではありませんが、失敗談も織り交ぜて、ご紹介したいと思います。
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はじめに
今回の基本的な材料は、3つです。
- 米麹甘酒
- チョコレート(カカオ含有量の多いもの)
- 純ココア
道具に関しては、特別なものは必要ないのですが、「ゴムベラ」があればきれいに形を整えることができると思います。
※ 最初に材料について詳しく説明して、後半にレシピをご紹介しています。
麹と糀
麹を調べていると、糀 (こうじ) という字もあることも知りました。
麹は中国から来た漢字です。
一方、「糀」は日本で作られた国字で、米にコウジカビが「花が咲くように生える様子」から生まれた漢字だそうです。
麹(糀)とは、原料となる穀物(米、麦、豆など)を蒸したものに「麹菌」を付着させ、繁殖しやすい温度、湿度などの条件下で培養したものです。
麹(糀・こうじ)のこと
甘酒について
ところで、その米麹で作る甘酒は、栄養素が豊富なことから「飲む点滴」と呼ばれています。
夏の季語といわれる甘酒は、江戸時代、夏バテ防止の効果が期待できる飲み物として、多くの人々から人気を集めていました。
発酵食品は加熱すると菌が死滅してしまうそうですが、甘酒を温めても大丈夫?
甘酒に使われる麹菌の酵素は、お米のでんぷんをブドウ糖に変えるために働くもの。
なので、熱によって麹菌や酵素が失活するというのは、甘酒が出来上がれば気にしなくて大丈夫です。
発酵美食
温めても、効能的には問題ないようなので、冬は温めて飲んでいます。
甘酒の種類
甘酒には、2種類あります。
ひとつは酒粕と水、それに砂糖を加えた「酒粕甘酒」。
そして、もうひとつは、米麹と水だけを原料とする「米麹甘酒」です。
後者の「米麹甘酒」は、砂糖を使いません。
その代わりに、米麹の酵素の力で米のでんぷんを糖化させて優しい甘みを引き出しています。
「米麹甘酒」は、アルコールを一切含まないため、お子さまでも楽しめるというのも大きな魅力です。
今回は、米麹甘酒の方を使います。
米麹甘酒のすごさ
同じ発酵食品でも、ヨーグルトやチーズは、世界で数多くの学術的研究がなされてきました。
一方、甘酒に関しては、学術的な研究はほとんど見つかりませんでした。
その中、(米) 麹甘酒を製造している「八海醸造」さんでは、詳しい成分分析に取り組んでいるようです。
その成分分析によると、米麹甘酒には実に350以上もの物質が含まれていることが明らかになったそうです。
(米麹甘酒の)主成分は、人間の活動に欠かすことのできないエネルギー源「グルコース(ブドウ糖)」で、約23%を占めています。
また、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸をすべて含んでおり、それらの約50%は体に吸収されやすい遊離アミノ酸です。
ビタミンB群も、主に動物性食品に含まれるB12を除く全種類を含んでいることが分かっています。
「トレハロース」「ソホロース」「ラフィノース」などのオリゴ糖も発見されましたが、この3つの成分が甘酒に含まれていることを明らかにしたのは、八海醸造による分析が初めてです。
成分分析で見えてきた 麹甘酒のチカラ
また、大学や食品研究センター、そして病院との共同で、以下のような、健康面の効果があることも分かってきたそうです。
・便通改善
・大腸炎予防
・中性脂肪低下
・疲労軽減
・関節痛緩和
- 詳細はこちらでどうぞ >>> 知るほどスゴい麹甘酒のチカラ Vol.2 [健康効果編]
体にいいと思っていましたが、ここまで凄いとは思いませんでした。
ココナッツシュガー入りのチョコ
せっかく体にいい米麹甘酒を使うのなら、チョコレートもこだわりたいと思いました。
今回、使うのは、ココナッツシュガー入りのチョコレートです。
ココナッツシュガー
ココナッツシュガーは、ヤシの木の花のつぼみから採れる花蜜を原料としています。
一般の砂糖に比べて糖質が低く、さらには低GI食品でもあるため、脂肪として蓄積されにくいと言われています。
GIとは食後血糖値の上昇を示す指標、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。
GIは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。
GIについて学ぼう
GI値が低いほど、血糖値が急激に上昇しにくいのです。
GI値が高い食事をとると血糖値が急激に上昇し、血糖値を下げるために体内からインスリンが大量に分泌されます。
その反動で血糖値が急降下。 今度は低血糖状態になり、食後に強い眠気や倦怠感を感じたり、イライラしやすくなったりします。
私は、強い眠気に襲われます。
ところで、インスリンの働きには、「血中の糖分を脂肪に変える」というものがあります。
糖分が脂肪に変わることで、体内に脂肪がためこまれてしまうため、ダイエットには血糖値の急上昇を抑える食べ方が良いと言われているのです。
一般的なグラニュー糖や上白糖はGI値はおよそ100以上、はちみつやメープルシロップはおよそ70以上と高いGI値と言われております。
そんな中、ココナッツシュガーはGI値はおよそ35で、大豆と同様に低GI食品に分類されております。
又、数少ない低GI甘味料となっております。
ココナッツシュガー
※一般的に55以下が低GI食品とされているそうです。
そんな「米麹甘酒」と「ココナッツシュガー入りチョコ」を使って生チョコに挑戦します。
作り方
材料
・米麹甘酒:50ml
・クーベルチュールチョコレート:100g
・純ココアパウダー (A):大さじ1(状況により追いココアあり)
・純ココアパウダー (B) :仕上げ用・大さじ2
※ クーベルチュールチョコレートとは、お菓子作りによく使われるカカオ含有量の多いチョコレートです。カカオ含有量が多い、市販のチョコレートでも代用できます。
step
1チョコレートと米麹甘酒を混ぜる
- (耐熱)ボールに、細かく刻んだチョコレートと、純ココア、そして、米麹甘酒を入れる。
- 小鍋に5cmくらい水を入れて沸かし、火を消す。
- 小鍋に「1」が入ったボウルを浮かし、湯煎にかけながら、つやが出るまでよく混ぜる。
※ 耐熱ボールにの代わりにアルミのボールを使いました。その場合、湯煎中に持ち手が熱くなるので、お気を付けください。
目安としては、しっかり角が立つまで混ぜました。
粒入りの米麹甘酒を使用する場合は、最初にミキサーなどで滑らかにしておくといいようです。
もし、少し緩いと感じたら、純ココアパウダーを足して、固さを調節してください。
緩すぎる場合は、冷蔵庫で何時間かけても固まらないそうです。
通常、生チョコを作る場合、チョコと生クリームの割合は、2:1だそうです。
ただ、米麹甘酒で作るレシピは、さまざまな割合のものがありました。
今回は、参考にさせていただいたレシピよりチョコレートを少し多くし、チョコと米麹甘酒を2:1とし、混ぜながら(様子をみながら)「追いココア」をしました。
参考にさせていただいたレシピの写真より、少し固めになったような気がします。
step
2型に流し込んで、冷蔵庫で冷やす
- サランラップを敷いた型やパットに、甘酒チョコを入れる。
- ゴムベラ等で平らにする。
ゴムベラがなかったので、バターナイフで平らにしてみました。
ここをもう少し丁寧にならしておくと、仕上がりが綺麗になったような気がします。
さらに、平らでないパットの上に流し込んだので、出来上がりがデコボコしてしまいました(失敗)。次回は、平らなお皿の上でやります!
固さの目安
サランラップで包んだ状態で、流れ出ない(手で押さえると成形できる)固さとなりました。
耳たぶより少し固いといったイメージです。
step
3サランラップの上から切り分ける
4時間ほどして冷蔵庫から取り出すと、指で持ってもへな~っとしないほどの固さになっていました。
あとは、サランラップに包んだままで切り分けます。
step
4ココアパウダーをまぶして完成!
手で触ると形が崩れそうだったので、小さなケースにココアパウダーと生チョコを入れて、上下に軽く振りながらココアをまぶしてみました。
できあがり!
ちょっと、ココアパウダーが付きすぎてしまったかしら?
次回は、少し減らしてみよう!
形はちょっといびつだけど、とろける口どけの生チョコに仕上がっていました。
生麹甘酒の甘さより、ビターチョコの風味を感じました。
コツは、甘酒とチョコレートを混ぜるときに柔らかくなり過ぎないようにすることです。
※ チョコレートが少なすぎると固まりません。
通常、生チョコづくりには生クリームを使うようです。今回は、生クリーム(脂肪分)が入っていないので、うまく固まるかどうか心配でした。
でも、米麹甘酒とチョコレート、そして純ココアパウダーでも、しっかり固まりました。
初めてだった(しかも不器用)ので、見かけはイマイチですが、自分でもびっくりするくらい美味しく出来上がりました(←自画自賛・笑)。
今回、参考にさせていただいたレシピはこちらです。
>>> 贈りものに!糀チョコや玄米甘酒で作る、ヘルシースイーツ
さいごに
いつもパンやお菓子を作られているブログを拝見して、「上手だなぁ」「写真もきれいだなあ」と思ってました。
一方、私のスィーツづくりは、アップするには恥ずかしい写真ばかりでした。(*ノωノ)
でも、思っていた以上に美味しくできたので、ご紹介したくなり、記事にしました。
初心者、かつ不器用な私でもできた、3つの材料の生チョコ!
ほろ苦い米麹甘酒生チョコレートは、甘さも控えめで、食べるときの罪悪感もありませんでした(個人の感想です^^)。
特に、口の中でとろける滑らかさがクセになりそうです。と言っても、食べ過ぎ注意ですが・・・。
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ぜひ、皆さまも作ってみてくださいね。
なお、生モノなので冷蔵庫で保存して、早めにお召し上がりください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。