以前、BA(ブリティッシュエアウエイズ)のステイタス修行をしていたとき、よく、JTA・日本トランスオーシャン航空 (NU) で石垣島と宮古島へいっていました
那覇からの日帰りが多かったのですが、ときに石垣島に泊まりました。
那覇から離島へのフライトは、移動だけでない楽しいポイントがあります。
そして、ときには天候不良でのイレギュラーも・・・。
今回は、JTA・日本トランスオーシャン航空のフライトをご紹介いたします。
※ 以前アップした記事を書き直しました。
日本トランスオーシャン航空
日本トランスオーシャン航空は、1967年、旧南西航空として日本航空と地元企業の合弁で誕生しました。
機内では、「島くとぅば」という沖縄の方言での機内アナウンスを聞くことができます。
運航状況
2022年5月、遅延便数70便のうち50便は機材繰りによるものです。
2020年1月、羽田からのJAL便が40分程遅れ、乗り継ぎ旅客を待ってJTA便の遅延が発生していました。
乗り継ぎのお客様が多い路線なので、仕方がないですね。
JTAは、目的地以外への着陸が少ないのも特徴です。
短い飛行時間が多いので、目的地に着陸できない場合は、欠航か引き返すようになるようです。
機材
今回乗ったのは、ボーイング737-800(738/73H)という小型機です。
JAL SKY NEXT 機材で、全席本革仕様です。
離陸5分後から着陸5分前まで、機内Wi-Fiを使えます(JALと一緒ですね)。
クラス J が20席、普通席が145席ですが、クラス J から満席になっている感じがします。
おすすめは クラス J の少し広い座席ですが、 普通席を利用する際は、最前方か足元が広い非常口座席 がおすすめです(制限がありますが)。
ウィングレット
B737の特徴の一つに、翼の先端につけられた大きなウイングレットがあります。
このウイングレットを装着することで燃料効率の向上や航続距離の延伸などの効果が大きくなります。
そのウイングレットに、奄美・琉球列島に生息する希少動物を翼の先端にイラストで描かれた機材があります。
私たちJTAはうちなーの翼として、豊かな自然の維持と観光振興に貢献する活動として官民一体で進められている、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」世界自然遺産登録に向けた活動を推進しています。
ウィングレット編
2017年4月から行っている希少動物の特別塗装で、「アマミノクロウサギ」は、「ヤンバルクイナ」「イリオモテヤマネコ」に続く第3弾となります。
デザインはJTAの客室乗務員の方だそうです。
窓側の座席に座ると、航行中、ずーっとウィングレットの先に描かれた動物を見られる楽しみがあります。
ジンベイジェット
JTAには、ジンベイジェットとサクラジンベエと名付けられた2種類の塗装機があります。
離島を行ったり来たりしていると、どこかで遭遇することもあります。
最近では、中部国際空港セントレア⇔石垣・宮古島の初便を記念して、県外にも飛んでいったようです。
そして、2022年には、羽田空港でも見かけました。
間近で見てもかわいい飛行機です。大人でもワクワクします。
飛行機の入り口はこんな感じです。
余談ですが、B737は、ボーイングのなかで、唯一客室乗務員が内側から操作してドアを開閉する飛行機です。
ヘッドレストカバーには、サンゴと魚の絵が描かれていました。
1月に乗った便は、ブルーのジンベイジェットでした。
初めてのジンベイジェットだったので、うれしくて機内で写真をいっぱい撮っていると、乗務員の方からシールをいただきました。
ありがとうございます!
空港の売店で買ってきたジンベエジェットのスマホクリーナーと一緒に写真を撮ってみました。
通常、機内では、さんぴん茶(ジャスミンティー)のサービスがあります。
ジンベイジェットとサクラジンベエの機内では、ペーパーカップも特別仕様でした。
紅型三宗家のヘッドレストカバー
ジンベイジェット・サクラジンベエじゃない機材の クラス J では、別の楽しみがあります。
それは、沖縄の伝統工芸・紅型(びんがた)のヘッドレストカバーが付いていることです。
紅型
400年の歴史をもつ紅型は沖縄の知財であり、その伝統をどう生かし世界に向けて発信していくか、工芸としての未来に向けた計画を、工房と共に考えていきます(JTA機内誌「Caralway」より一部抜粋)
この紅型ヘッドレストカバーは、ジンベエジェット と さくらジンベエ を除く10機のクラスJに使用されています。
第1弾は、300年以上の歴史がある「城間びんがた工房」が制作した作品 海中艶 (かいちゅうえん) を採用していました。
海中艶は、城間びんがた工房が得意とする「海」をテーマに、伸びやかな海藻・枝サンゴ・テーブル珊瑚の周りで、心地よさそうに泳ぐ熱帯魚の艶やかな情景を色鮮やかに描かれれいます。
機内でも紅型の美しさを表現できるよう、琉球王朝時代の王の色であった黄色をベースにしているそうです。
5月1日から8月31日までの第2弾は「知念紅型研究所」の「竹」と「ふくら雀」が描かれた図柄です。
「竹」は真っすぐ天に向かって伸び、生育が早く丈夫な事から「気高さ」と「力強さ」を、「ふくら雀」は、ふっくらとしたまん丸の姿の雀から「豊かさ」や「繁栄」を表しています。
また、円形が永遠に連鎖し繋がる七宝 (しっぽう) や、菊や桜の縁起模様も描かれており、「繁栄や良い御縁が円満に、永遠につながって幸せが続きますように」 という幸せを願う気持ちが込められているそうです。
ちなみに、2020年9月1日~12月31日までは、第3弾となる「やふそ紅型工房」がデザインした紅型ヘッドレストカバーとなっていました。
機内販売
JALグループでは、緊急事態宣言中のフライトでも、機内販売は実施されていました。
JTAでは、沖縄らしい商品が搭載されています。
2020年6月に乗った時、紅型のランチョンマットとラム酒を買いました。
JTAのフライトでも、JALカードを使うと、マイルがたまるだけでなく10%引きとなります。
「七宝ふくら雀 紅型 ランチョンマット」この紅型のランチョンマットは、ヘッドレストカバーと同じ図柄です。
ランチョンマットですが、玄関やサイドテーブルにおいても素敵だと思います。
「イエラムサンタマリア ゴールド&クリスタル」は、美ら海水族館の沖合に位置する伊江島生まれのラム酒です。
一般的にラム酒は、白砂糖を造る際の副産物を原料とするトラディショナル・ラムですが、伊江島の「イエラムサンタマリア」は、サトウキビのフレッシュジュースで造られた贅沢なラム酒です。
機内販売では「クリスタル」と「ゴールド」の2種類がセットになっていました。
クリスタル
手狩りのサトウキビを即日絞り濃縮。これを発酵、蒸留。こうしてできた原酒を、ステンレスタンクで1年寝かしたものが、無色透明のホワイトラム「クリスタル」です。すっきりした味わいが特徴で、カクテルに向きます。
ゴールド
一方、ウィスキーの古樽に詰めて3年間熟成させたラム酒が「ゴールド」です。懐かしいカラメルの香りとまろやかな味わいなので、ロックにするといいそうです。
「クリスタル」でモヒートを作りましたが、とても美味しかったです。
石垣島までのフライト
那覇空港からは、途中、宮古島など島々を眼下に見ながら、50分ほどの飛行です。
上級会員を目指すために往復するのですが、景色が美しいので、修行というより、まるで遊覧飛行のようだといつも思っています。
石垣島到着
石垣空港には、ちょうど「空手ジェット」が駐機していました。
2020年東京オリンピックの正式種目となった空手。
その発祥の地である沖縄を全国へPRしている塗装機だそうです(現在は運行終了)。
石垣島→那覇→石垣島
石垣島を出発して、夕暮れの時間帯、再び石垣島へ戻ります。
乗り継ぎの時は、出発ゲート付近にいる地上係員に声がけをすると、そのまま逆流でき、待合室へ入ることができます。
到着したときは、空港周辺の空にもきれいな星が輝いていました。
寝るだけの短い滞在ですが、石垣島に宿泊します。
そのときの宿泊記はこちらをどうぞ。
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石垣空港を出発
短い滞在のあと、修行は続きます。
石垣空港のお土産モノ屋さんで「月桃の精油」を買いました。爽やかな香りは、旅の気分を盛り上げてくれます。
月桃についてはこちらをどうぞ。
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展望台から
石垣空港には、航空会社の上級会員やクレジットカードのゴールド会員が利用できる空港ラウンジがありません。
そのかわり、無料で利用できる展望台(室)があります。
そこでお昼ご飯を食べながら飛行機を眺めていると、かわいいトーイングカー(飛行機をけん引する車)が見られました。
青とピンクがあります。一度運転してみたいです (笑)。
ちなみに、那覇空港にもありますが(上の写真)、必ずしも見られるわけではないので、見られてラッキーでした。
最終日は、ISG (石垣空港) からOKA (那覇空港) を経由して、MMY (宮古空港) を往復、さらに HND (羽田空港) へ戻るという日程です。
飛び恥と非難されても、飛行機に乗るという誘惑には勝てない、ワクワク感を楽しむ一日です。
荷物が重くなってしまったので、最初の出発地の ISG で荷物を貨物室へ預けることにしました。
これで、最終目的地まで、手ぶらで移動できます。
同じ場所(OKA)を2回通過することになるので、機械で荷物タグを発券できず、手書きの荷物タグをつけてもらいました。
地上係員による見送り
いつもは通路側が好きな私ですが、離島フライトは必ず窓側を予約します。
きれいな景色を楽しむだけでなく、飛行機がターミナルを離れるとき、整備さんや地上スタッフのお見送りを見ることができるからです。
私も一回見送り側を体験したことがあるのですが、大きな飛行機でもしっかりとお客様の表情が分かるのが印象的でした。
上の写真は1月のときの見送りです。しかし、7月には・・・
ちょうど、機内のコロナ対策が少し変わり、隣席も販売するようになった日のフライトの出発時です。
総動員!?
いつもより多くの社員の皆さんに見送ってもらいました。ジンベイジェットとサクラジンベエ塗装のトーイングカーも揃っていました!
天候によるATB
ところで、1度だけ、ATB (Air Turn Back:エアーターンバック)に遭遇してしまいました。
ATBとは、目的地に降りられなくて、出発した空港に戻ってくることを言います。
夏雲が広がっていたある日、OKA ISG OKA HNDといった旅程でした。いわゆる、上級会員を目指した修行フライトをする予定でした。
- OKA:那覇空港
- ISG:石垣空港
- HND:羽田空港
その旅程の最初の、OKA ISG でATBにあたってしまいました。
ずーっと外を見ていると、石垣島に近づいたと思ったらまた離れて・・・と、同じところを回っている気がしました。
なんか、石垣島のあたりに黒い雲が覆っています。
機内はWifiが使えますので、ネットに繋いで雨雲レーダーを見ると、雷を伴った雲が石垣島の上にあり、時間を進めても全く移動しません。
そのうち、コックピットからのAll Call (オールコール:全客室乗務員への一斉連絡) があり、普通なら「了解です」で済むところ、何分か話をしていました。
もしかしたら、ATB?
と思っていたら、キャプテンからアナウンスが入り、天候が回復しないので、那覇空港に戻る旨の説明がありました。
石垣島上空の天気が悪いだけで、那覇空港までのフライトには全然支障がありません。
本当の意味で、石垣島までの遊覧飛行となり、那覇空港に戻ることになってしまいました。
那覇空港に戻った後はどうなる?
那覇空港に引き返したその便は、2時間後に再び条件付きで石垣島へ行くことが決定しました。
通常、ATBした後は、天候の回復を調査して、再出発するかどうかを決めます。その際、便が欠航になってしまうこともあります。
しかし、ここで問題が発生してしまいました。
2時間後に出発する便に再度搭乗するとなると、旅程の最後の羽田空港行きの便へ乗り継げません。
なので、一度ターミナルへ戻り『羽田行きに乗り継げないので、石垣島往復を別の日に振り替えることはできませんか?』とチケット販売カウンターで相談してみました。
ポイント
原則、一度出発した便の振り替えはできません。
しかし、JTAさんのご厚意で、このときは振り替えてもらえ、最終便は予定通りの便に乗ることができました。
減便の関係もあり配慮してもらえたのだと思いますが、次回はないと思われます。
原則は原則なので・・・。
一ついい勉強になりました。
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さいごに
修行というと、1日に何回も飛行機に乗ってポイントを稼いでいくイメージがありました。
飛行時間が短い路線だと、あまり苦にもなりませんでした。
客室乗務員の方に『また乗ってる』と思われる以外は・・・。
でも、今となってはいい思い出です。
最後までご覧いただきありがとうございました。