関東地方も本格的に梅雨らしくなってきました。梅雨の時季の楽しみと言えば、紫陽花(アジサイ)。
関東でアジサイというと、有名なのは「鎌倉」ですが、鎌倉以外にも、アジサイを楽しめる場所はたくさんあります。
千葉県松戸市にある本土寺 (ほんどじ) も、アジサイを楽しめる「花の寺」としても親しまれています。
今回は、満開のアジサイを楽しめる穴場的な名所、「本土寺」をご紹介したいと思います。
本土寺
長谷山 本土寺は、日蓮宗の中心寺院のひとつです。
1277年、豪族平賀家の屋敷内に日蓮上人 (にちれんしょうにん) の弟子である日郎上人 (にちろうしょうにん) を導師として招き、開堂したのが始まりだと言われています。
本土寺の正門にそびえる丹塗りの仁王門を仰いで境内に入ります。
丹塗りとは昔ながらの材料を使った伝統的な塗装方法の一つです。
伝統的な社寺が赤く塗られてきたのは、建物を彩ることで魔除けや神性を表す視覚的な意味のほかに、朱や丹という顔料は金属を原料としているので、虫害・腐食から建物自身を守る役割もあります。
仁王門をくぐると、目の前が開け、境内に続く階段があります。
その階段の左右に無数のアジサイが広がっています。
境内のアジサイに比べると、少し開花が遅いようですが、美しいブルーのアジサイに目を奪われました。
なお、アジサイが見頃となる期間の参拝 (2022年は6月4日~) は有料となります。
参拝料・時間
- 参拝料:500円(大人)
- 有料参観期間の開門:9時~16時半(入場は16時まで)
詳細はこちら >>> 【公式サイト】本土寺・参拝料
境内はゆるい勾配があり、入り口正面に本堂、左側に五重の塔があります。
五重の塔の高さは18mです。塔の中に、インドのネール首相より贈られた真仏舎利の一粒を納め、千体佛と共に祀られています。
五重の塔の写真を撮るのは、朝早い時間帯がおすすめです。周囲には色とりどりのアジサイ(サクラの頃は桜)が植えられています。
境内のようす
とても広い境内ですが、案内板があるので、見どころを抑えながら巡ることができます。
まずは、本堂でお参りしました。ここから本堂の裏に続くアジサイの道を歩いて行きます。
境内を彩るアジサイの数は、鎌倉の明月院や長谷寺をしのぐ5万本以上です。
10種類以上のアジサイが境内中に咲いています。
本土寺のアジサイは、種類によって少しずつ咲く時期が違っているので、長い期間楽しめそうです。
6月の中旬に行きましたが、まだ蕾のものや、ちょうど見頃のもの、そろそろ終わりかけのものがありました。
「あじさい寺」「花の寺」として親しまれている本土寺は、春には桜、6月初旬には菖蒲、そして秋には紅葉が楽しめます。
坂を下がっていくと開けた場所がありました。
写真の建物は、宝物殿です。
1278年に造られた 梵鐘 や、日蓮上人直筆の書状類など、国の重要文化財が数多く所蔵されているそうです。
その先は、菖蒲園になっています。
花菖蒲の見頃は、例年6月上旬から2週間ほどのようです。
2021年は、少し早かったようで、行ったときには菖蒲の花はほぼ終わりといった感じでした。
菖蒲園の真ん中には木の通路があり、周りを見渡せます。
もう少し早いと、こんな感じで5千本の菖蒲が見られたようです(上の写真は、本土寺さんからお借りしました)。
アジサイ
アジサイは、もともと日本が原産地とされています。
海外に渡ったものが逆輸入されたものもあり、現在では2,000種類以上の品種が存在しているといわれています。
色づいている部分が花のように見えますが、実は「ガク」と呼ばれる葉っぱが変形した花を守る部分です。
アジサイの花はガクの内側に小さく存在しています。
アジサイの種類は、大きく分けると「ホンアジサイ」「ガクアジサイ」「西洋アジサイ」の3つに分けられます。
「ホンアジサイ」が西洋に渡り、品種改良されたものが「西洋アジサイ」だそうです。
ホンアジサイは手毬のように丸いのが特徴です。
行った日は、早朝に雨が降ったようで、葉が濡れていました。雨粒とアジサイも素敵な雰囲気ですね。
ガクアジサイ
ガクアジサイは雄しべと雌しべを持つ両性花で、花の中心に蕾のような花(青い部分)が集合しています。
外側にはガクが大きな花びらのようについています。
その姿が額縁のように見えることから「ガクアジサイ」と呼ばれるようになったそうです。
これからどんどん白いガクが増えていくのかと思っていたのですが、これが完成形のようです。
ガクがピンクのものもあり、このガクアジサイだけでも70種類以上あるといわれています。
参考サイト:アジサイ (紫陽花) の種類
珍しいアジサイ
ポップコーンはその名の通り、ポップコーンがはじけたかのように咲く、とてもユニークなアジサイです。ガクがくるりと丸まっているのが特徴です。
一口にアジサイと言っても、それぞれ色も形も違うので、一輪一輪時間をかけて眺めていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
まるで、折り紙で作ったようなアジサイもありました。
出口の近くで見つけた、黄色いアジサイ(?)。
名前は分からなかったのですが、普通に咲いていると、絶対にアジサイとは思わない色と姿でした。
遊歩道
菖蒲園を取り囲むように遊歩道があり、のんびり花を愛でながら歩くことができます。そしてそこには・・・
何を考えているのでしょう?
菖蒲園近くで、アジサイと蛙という梅雨らしい光景を見ることができました。
そして、シオカラトンボ。
その周囲には、赤とんぼも飛んでいました。
赤とんぼは秋に飛ぶものだと思っていたのですが、梅雨の時季から飛んでいるのですね。
開運パワースポット
菖蒲池の周辺にある小道を上っていくと、開運のパワースポットがあります。
「日像菩薩誕生水」とも言われ、日像上人がお生まれになったとき、清水が湧き出て、それを産湯として使ったとされています。
後に井戸として使われました。
その水を飲むと、病気が治ったり、乳の出がよくなったりという不思議なご利益があるとされ、当時は参詣祈願の列が絶えなかったそうです。
地蔵堂
遊歩道を上っていくと、約750年前に沢に流れ着いたお地蔵様が祀られている「地蔵堂」があります。
ここは、別名「お願い地蔵」と呼ばれる願掛けスポットになっています。願い事を書いた小さなお地蔵様(有料)を納めることで、願いが叶うと言われています。
本土寺は日蓮宗のお寺ですが、日蓮宗のお寺に地蔵堂があるのは珍しいそうです。
睡蓮と銭洗い弁天
弁天池には睡蓮の花が咲いていました。
ちなみに、側には藤棚もあり、見頃は4月上旬から中旬にかけてだそうです。
弁天池の中央の小島の厨子 (ずし) には弁財天が祀られています。
また、池の裏手側には銭洗い弁天をお祀りしているそうですが、このときは、銭洗い弁天へ続く小道が閉鎖されていました(2021年6月現在)。
参考サイト:http://www.hondoji.net/play.html
最後は、小道の両脇に咲いたアジサイを見ながら出口に向かいます。
2時間ほど、ゆっくりアジサイの花などを楽しみながら過ごすことができました。
お土産
ところで、参道には、お土産物屋さんが軒を連ねています。
朝どれとうもろこしとブルーベリーを買ってみました。
とうもろこしは、3本500円と1本150円のお店があったのですが、12時ごろ行ったところ、1本150円のお店のとうもろこしは売り切れてしまっていました。
安いので、皆さん10本単位で買っていくそうです。
旬のとうもろこしについては、こちらもどうぞ。
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船橋屋
最後は、船橋屋で、くず餅とあんみつを買いました。こちらのお店は、アジサイの頃など期間限定でオープンするお店です(5月下旬~7月上旬)
くず餅は、和菓子で唯一の発酵食品です。
くず餅の品質を支える重要な要素は、お餅の適度なやわらかさとしなやかな歯ざわりです。
それを引き出すうえで欠かせないのが、乳酸菌です。船橋屋では、厳選した小麦粉の澱粉質を15ヵ月もの間、乳酸発酵でじっくりと熟成させます。
そうして出来上がった最高品質の小麦澱粉は澄んだ乳白色でヨーグルトのような香りがします。
船橋屋のくず餅は、450日かけて作られているそうで、ほのかな香りと酸味が口の中に広がる上品な味わいでした。
カロリーは1食 (7切れ) 約200kcalなので、甘いものを控えている・・・でも食べたい!ときに罪悪感を感じず脳内を満足できる和菓子です。
あんみつも、黒蜜が別に付いているので、好みの味にアレンジできます(黒蜜をかけなくても美味しかったです)。
アクセス
本土寺の最寄りの駅は、JRを常盤線の北小金駅になります。
北小金駅の北口から出て階段をおり、商店街 (スーパーがあります) を少し抜ければ 、松杉などの大木が連なる参道にかかります。
途中、案内板もあるので、矢印に沿って真っすぐ歩けば、駅から10分ほどで着きました。
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さいごに
ちょうど行ったとき、紫陽花が満開でした。
ただ、菖蒲も一緒に楽しむなら、6月の初旬の方がいいようです。
私は列車で行きましたが、車で来た場合、周辺の駐車場を利用して歩いて行くことができます。
本土寺へ向かう道沿いに無料駐車場もありますが、平日でも12時ごろには、満車となっていました。なので、車で行く時は、早めに行くことをおすすめします。
梅雨の晴れ間の日に行ったので、思っていたより人出がありました。
ただ、人出が多いと言っても、鎌倉に比べると、かなり少ないですが・・・。
次は、秋の紅葉の時期にもう一度訪れてみたいと思います。秋にはどんな地域の特産物が並ぶのか?そちらも楽しみです。
最後までご覧いただきありがとうございます。