ホテル椿山荘東京には広い庭園があり、春は桜、夏は新緑、秋は月紅葉、そして冬は雪椿と、四季を通して楽しむことができます。
さらに、花や景色を見ながらの散策だけでなく「雲海」いうイベントも楽しめます。
今回は、そんな庭園のようすご紹介いたします。
※2022年3月の宿泊記です。
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ホテル椿山荘東京 庭園
ホテル椿山荘東京の周辺は、古来より椿が自生する景勝地として知られていました。1300年代の南北朝期のころより、「つばきやま」と呼ばれていたほどです。
明治11年、長州藩士で新政府の礎を築いた元勲 (げんくん)・山縣 有朋 (やまがた ありとも) 公爵が、私財を投じてこの地を購入。起伏豊かな地形を巧みに生かし、今日に見る自然主義の名園を造り上げました。その庭園は、つばきやまの名にちなんで「椿山荘」と命名され、ホテル椿山荘東京の起源となっているそうです。
5万㎡ある庭園では、春は桜、初夏はホタル、秋は紅葉、冬は雪景色、そして、冬から春にかけては椿など、四季折々の姿を楽しむことができます。庭園の様式は「林泉回遊式」で、広い芝生地や池、築山、曲水、樹林地と移り変わる景色を眺めて一回りすると、一巻の絵巻物を見て終わるという趣向の庭園だそうです。
庭園の入り口
ホテルから、案内板にそってU字の坂を下ると庭園に出られます。
まるで、東京にいることを忘れてしまうような木々の緑の間を抜けて行くと、桜が咲いている場所に出ました。
まだ少し寂しい状態でしたが、開花時期が違う桜が植えられているので、少しお花見気分を味わえました。
ホテル椿山荘東京のロビーに飾られていた「啓翁桜」。
実際に植わっているのを初めて見ました。
花は小ぶりですが、空に向かって勢いよく伸びている姿は、とても美しかったです。
この他にもいろいろな種類の桜が植わっているので、4月中旬まで楽しめそうです。
桜を見られる月 | 桜の種類 |
---|---|
2月 | 河津桜、寒緋桜 |
3月上旬~中旬 | 修善寺寒桜、陽光桜、おかめ桜、 東海桜、横浜緋桜、雅桜 ほか |
3月下旬~4月 | ソメイヨシノ、神代曙桜、山桜、 山形おばこ ほか |
4月中旬 | 八重紅枝垂桜 |
赤い弁慶橋を渡って下ると、幽翠池(ゆうすいち)があります。こちらは、庭園造営当初からの池です。整備を重ね、今もひょうたんの形を保っています。
そのそばには、立派な百日紅(さるすべり)の木がありました。百日紅は、その名のとおり、初夏から秋までの長い間鮮やかな紅色やピンク、白などの花を咲かせる花木です。満開の百日紅の花とともに見る 幽翠池 も、また素敵なのでしょうね。
ちなみに、この池の周りが(後ほどご紹介する)雲海の鑑賞ポイントになります。
石仏
庭園で楽しめるのは花だけではありません。
最初に目に入ったのは「羅漢石」
江戸中期の画家・伊藤若冲(いとう らくちゅう)の下絵による五百羅漢のうちの20体だそうです。京都・伏見の石峰寺(せきほうじ)に置かれていたものを、対象14年ごろに移したとされています。羅漢とは、煩悩をすべて断滅して最高の境地に達した人のことで、狭義には、小乗の悟りを得た最高の聖者をさすそうです。
雨風にさらされ、その姿は風化して趣深い石仏群になっています。
そのすぐそばには、庚申塔(こうしんとう)がありました。
庚申塔は、庚申塚(こうしんづか)ともいい、中国より伝来した道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔のことを指します。ホテル椿山荘東京の庭園にあったのは、寛文9年(1669年)に造られたと伝えられる、道教の庚申信仰に由来する石塔です。青面金剛像が彫刻されていました。
ここにある庚申塔は、寛文9年(1669年)に作られたもので、当時、この辺りに野道があった頃から現在の位置にあったと伝えられています。
ここが野道だったと想像すると、不思議な気持ちになりました。
また、広い庭園には、七福神が散りばめられています。
最初に出会うのは、結婚や仕事で良縁をもたらす大黒天です。ホテル椿山荘東京のチャペル「ヴァンベール」のそばにあり、満面の笑みで迎えてくれます。
左から、布袋、恵比寿、寿老人(じゅろうじん)です。
その他、ホテル椿山荘東京の庭園には、ニワトリの形をした「庭の神」がいるそうです。
合わせて、椿山荘の八福神。
今回は「庭の神」を見つけることができなかったので、次回の楽しみにしたいと思います。
御神木
寿老人からさらにすすむと、樹齢約500年といわれる椎の木、御神木があります。
パワーをいただいて、少し高台へ行ってみます。
三重塔
高台には、三重塔もありました。
建築工法や細部の様式から、室町期の作と推測されています。平清盛が第一回目の修復を執り行ったという言い伝えもあり、創建の謎はいまだに明らかにされていません。謎が残っている方が、いろいろ想像ができて(個人的には)好きです。
約2万坪の庭園は、まるで森のように広大で、池、三重塔、神社、離れなどが点在し、見どことが満載です。高低差があるので、けっこういい運動になりました。豊かな緑の中をゆっくり散歩していると、都内にいることを忘れてしまいそうです。
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東京雲海
ところで、この素晴らしい庭園では、7時から22時45分まで、「雲海」が広がります(2022年3月現在)。
この雲海は「東京雲海」と呼ばれ、1年じゅう実施されていますが、雲海をライトアップするイベントは、季節ごとに変わります。
「東京雲海」は、部屋(ガーデンビュー)から見ることもできますが、庭園で雲海の中を歩くこともできます。
おすすめ鑑賞エリア
・ガーデンビュー客室
・弁慶(赤)橋
・テラス
・幽翠池まわり
・和食レストラン「みどり」への通路
1回あたり約3分ほどの演出ですが、天気や風向きなどにより、いろいろな景色が楽しめます。
晴れていて風が強めの雲海は、少し控えめ。
次の日はあいにくの雨模様。
でも、湿度が高かったので、迫力のある雲海を見ることができました。
風もあったので、雲がどんどん流れていきます。
ひゃ~。
本当に雲の中に入ったようです。
別の場所で見た姿も迫力がありました。
朝7時台と、22時30分・45分の「東京雲海」は、庭園の約3/4を覆う「大雲海」が約10分出現します。
雨の日でも楽しめるイベントはいいですね~。
雲海の作り方
東京雲海は、霧や雲と同じ約10〜20ミクロンの細かい水の粒を均一に発生させることで実現します。
夏に涼を得るためのミストが各地でよく見られますが、庭園演出としてこの規模の霧を噴霧している(約2,000個)のは他に例がないと思います。
夜桜雲海
昼間の庭園、そして雲海も素敵だったのですが、夜は、もっと幻想的になります。
ここは、元々「竹裏渓」と呼ばれ孟宗竹林の裏にあった谷に清流が流れていた場所で、現在もせせらぎを保っています。
赤い弁慶橋の辺りも東京雲海の鑑賞スポットですが、夏には蛍も見られるそうです。
夜桜見物をしながら、雲海が出るのを待ちます。
雲海スポットの一つ、幽翠池のそばも昼間とは全く違った雰囲気になりました。
夜の雲海
まるで深い森の中に迷い込んだかのようです。
高度の高い森の中を早朝に歩くとこんな感じですが、それを都内で体験できるとは思いませんでした。
部屋からの景色
部屋から見ると、東京の夜景と相まって、本当に美しい景色が広がっていました。
幽翠池の辺りが薄っすらピンクになり、桜の季節ならではの演出「夜桜雲海」が始まりました。
夜桜雲海は、19時から始まりました(2022年3月現在)。
ホテル椿山荘東京の庭園では、約3月下旬〜4月上旬 約20種・100本の桜が順に咲き誇りながら見頃を迎えます。全国各地から集めた約100種・1,000本の椿も見頃です。同時期に、ホテル周辺のお花見スポット(江戸川公園、神田川沿いの桜並木)でも楽しめるので、より滞在が楽しくなりそうです。
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さいごに
桜色に染まる東京雲海と桜のコラボレーション。
その庭園で繰り広げられる東京雲海は、想像していたより遥かに素晴らしいものでした。
よくテレビ番組で紹介されていますが、実際は、かなり迫力があり見ごたえがありました。ラウンジや無料のプールはありませんが、それでも、この東京雲海を見にまた行きたいと思ったくらいです。
また、季節ごとのイベントもあり、2023年9月は、ロクシタンとのコラボレーションも開催されています。秋の月夜と東京雲海を眺め、ロクシタンの金木犀の香りのフレグランス「オスマンサス」の世界観に迷いこむ幻想的な一夜を体験できるようです。
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