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パリの新しい現代美術館 Bourse de commerces (ブルス・ドゥ・コメルス)。フランソワ・ピノー氏が50年余を掛けて世界中から収集してきた世界屈指の現代アートコレクションを展示している美術館ですが、安藤忠雄氏が手がけた建物としても知られています。
今回は、館内のようすとアクセスをお届けいたします。
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Bourse de commerces
Bourse de commerces (ブルス・ドゥ・コメルス) は、パリ中央市場があったレ・アール地区にある美術館で、円形のガラスドーム屋根が印象的な建物です。建物の設計改装を担当したのは、日本が誇る建築家 安藤忠雄氏です。工事には3年以上もの期間が費やされました。展示品だけでなく、建物の細部も必見の美術館です。
当日の朝、今回もKlookで予約しました。
11時(オープン)のチケットが取れたので、その時間に合わせて美術館の正面玄関へ。Klookから送られてきたQRコードがそのまま使え、時間別の列に並ぶだけです。
入口の前には面白いオブジェがありました。
この石は落ちてこないのか?
入口と出口は同じところにあります。
左から入って、中のスタッフにチケットをスキャンしてもらいました。
この先にロッカー(無料)がありますので、リュックなど大きな荷物は預けます。空いていない場合は地下へ。地下のフロアに有人のクロークがあるそうです。
ブルス・ド・コメルス
ブルス・ド・コメルスの建物の歴史は、16世紀にまで遡ります。
現在この建物がある場所には、16世紀、フランス王妃カトリーヌ・ドゥ・メディシスの邸宅が立っていました。
邸宅は後に解体され、18世紀に穀物取引所が建設され商業の中心となり、当時珍しかった円形の建物が話題となったそうです。その後、時代とともに穀物取引所としての重要性は徐々に薄れていき、1889年のパリ万博に向けて改装されることになりました。この改装でガラスドームが加えられ、ほぼ現在の姿になったそうです。
なお、この年のパリ万博はフランス革命の発端とされるバスティーユ襲撃100周年にあたる年で、エッフェル塔も建設されました。そういった時代の建物です。
パリ万博終了後、建物は商品取引所(=ブルス・ド・コメルス)として使用されてきましたが、21世紀に入りその役目を終え、美術館へ姿を変えます。2017年に着工、3年後に、地上4階建の内部に10の展示室(1〜3階)、多目的ホールやスタジオ(地下1階)、カフェレストラン(4階)を持つ「ブルス・ド・コメルス -ピノーコレクション-」として生まれ変わりました。
ガラスドームとフレスコ画
早速中へ入ってみましょう。
中には円筒型の鉄筋コンクリートの壁(直径29m×高さ9m)が現れました。この壁がドーム下の空間をぐるっと囲むようになっており、階段が設置されています。上るとより近くでフレスコ画を見ることができますが、まずは下から見上げてみることにしました。
中央に向かって開かれた扉を進むと、自然光が注ぐ巨大な吹き抜けの空間が広がっていました。
1812年に冠された金属フレームのガラスドームは壮麗で、この規模のものとしては世界初のものだとか。この巨大なフレスコ画もパリ万博開催時に作成されたもので、四大陸を描いているそうです。
私が行った日はかなり日差しの強い青天だったので、ガラスドームの金属フレームがフレスコ画に影を落としていました。その姿も、ひとつのアートのようですね。
安藤氏が考えた「円形の建物の中にもう一つ円形の筒を入れる」という構造は、2階に上がるとよく分かります。先ほど階段をご紹介いたしましたが、館内にはエレベーターもあります。
明るい色調のコンクリートでできた円筒形の周りには通路があり、中央展示空間を内包しているだけでなく、周囲の展示室ともつながっています。
大きな瞳にも見える(見えますか?)ガラスの天井。
お天気だけでなく、角度によってもいろんな表情を見せてくれるガラスドームの天井です。
展示品
現代美術は正直言ってあまりよく分かりませんが、あまり深く考えないで感覚で楽しめる作品が揃っていた気がします。
展示品は変わるので、次に行った時に同じものが見られるとは限らないのですが、今回一番興味をひかれたのは、こちらの展示品です。PINO PASCALI (ピーノ・パスカーリ:1935–1968) というイタリアの彫刻家の作品です。
≪fake sea≫というタイトルが付いているこの作品は、一見平行に見える2つのオブジェですが、実際は斜めに置かれており、見る場所によって形が変わります。両サイドから見て、「それぞれの端の幅がこんなにも違うの?」と驚いてしまいました。
最上階
2つの階段が組み合わさった二重らせん階段。
美術館内にあるこの二重らせん階段は穀物取引所として建てられた当時のもので、館内で最も古い部分だそうです。
最上階にあった扉の向こうにフラスコ画が見えます。
天井もガラスになっており、光が差し込んでいました。
そういえば、ライトがありませんね。
そのそばにソファーがあったので休もうとしたら、日本語が聞こえてきました。
こちらでは、建物の建築の様子が壁に映し出され、安藤忠雄氏がコンセプトなどを話していました。古い建物を鉄筋コンクリートというどこにでもある建材で改修したかったそうです。短い映像でしたが、説明を日本語で聞けたのでかなり理解が深まりました。
それにしてもすごい!
レストラン
このフロアにレストラン「ラ・アール・オ・グラン」があります。フランス南部のラギオールでミシュラン三つ星レストランを営むミシェル&セバスチャン・ブラス親子がパリに初出店させたレストラン。1カ月前から予約可能だそうです。
レストランは毎日営業ですが、小さな文字で、火曜日はディナーのみと書かれています。
美術館は火曜日が休みなので、夜にレストランだけ来られるということですね。
レストランからは、パリ中心部のネルソン・マンデラ公園、レアールのカノペ、ポンピドゥセンター、そしてサントゥスタシュ教会などが一望できるそうです。こんな感じなのかなあ。次回はレストラン目当てに来たいと思ったのでした。
館内の動画
最後に、(ちょっとカクカクしてしまいましたが)動画で館内のようすをどうぞ。
アクセス
ブルス・ド・コメルスはパリ中心部に位置しており、ルーブル博物館とポンピドゥセンターの間にあるのでアクセスも簡単です。
今回はRER A 線でアクセスしました。
ディズニーランドパリから市内に戻ってきたばかりですが、また同じ路線に乗って移動することになるとは・笑。
「Chatelet Les Halles」駅で降りて Louvre の方へ進みます。駅はかなり広いので、まず5-8の出口を探すといいと思います。
まっすぐ歩くと、かつてはパリ中央市場だったショッピングセンター(レアール)に入ります。
映画館のそばにあるエスカレーターかエレベーターで地上階へ。
右手に「サントゥスタッシュ教会を見ながら少し歩きます。
すると、目の前に円形の建物が見えてきます。
しかし、こちらは後ろ側なのでくるっと周りましょう。
ちょうど半周ほど歩いたところに入口があります。
詳細
・開館時間:月・水ー日 11:00〜19:00
・夜間開館日:金・土は21:00まで
第1土曜日の17:00~21:00は入場料無料
・休館日:火
・料金:一般 14ユーロ
・18歳~26歳:無料会員証「スーパーサークル」で16時以降無料入館
※2024年12月現在。
最新情報や詳細はこちら >>> 日本語 | Bourse de Commerce
当日券
当日券は、ブルス・ド・コメルスの横の建物に券売機があり、そちらで買えるようです。
行ったのは11月の平日、朝11時でしたが、こちらで当日券を買ってそのまま入っている方もいらっしゃいました。
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さいごに
ブログで拝見して、いつかは訪れてみたいと思っていたブルス・ド・コメルス。
ガラス天井や円筒状の構造がインパクトがあり、建物だけを見に行くだけでも価値があると思います。また、便利な場所にあるので、この後他の美術館へも簡単に移動できます。ゆっくり見てまわり1時間ほど、おすすめの場所です。
今回もパリで宿泊したホテルはこちら。どこに行くのも便利でした。
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