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ファンタジースプリングスの後は、ロンドンの旅行記に戻ります。またお付き合いいただけますと幸いです。
ロンドンにある大英額物館(The British Museum)。
古代人の石器から21世紀の版画まで、世界の文化の歴史に及び、その所蔵品は800万点を超えています。入場は無料ですが、2024年5月に行ったとき、事前に予約してチケットを入手しておくと専用のレーンからスムーズに入場できました。その後は動線を考えながら見たいものをじっくり鑑賞!
今回は、そんな大英博物館の予約方法と(自分ならではの)見どころの探し方、大好きな展示品をご紹介いたします(リンクあり)。
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大英博物館
大英博物館は世界初の国立博物館です。
しかし、その成り立ちは変わっており、医師で収集家であったサー・スローン氏が世界各地から集めた71,000点以上の自身のコレクションを国に遺贈したことが始まりです。収蔵品は、当初、現在の建物の敷地にあった17世紀の邸宅のモンターギュハウスに所蔵されており、その当時から全ての「学問好きで好奇心旺盛な人々」の入場料は無料でした。
さらに、久々に訪れたところ、予約できるシステムに変わっていました。
予約方法
予約方法は簡単です。空きがあれば、当日でもできます。
- Free entry – book online(Opens in new window)
もちろん予約なしでも入場できますが、入場列が異なり、入場までに時間がかかります。公式ホームページでも予約を推奨しており、事前にチケット(QRコード)を入手しておけばスムーズに入れます。
(上の写真の)公式サイトから予約できるのですが、[Book now}をクリックすれば、下の画面に飛びます。
黒い部分が予約可能な時間帯です。
予約できる時間帯を選んで進んでいくと下の画面になります。
原則入場は無料なのですが、最初に寄付(donation)が表示され、途中に、一般入場者の枠があります。
お好きなところを選んで人数を選択します。
その後のページでは、住所や名前、メールアドレスなどを入力していきます。すべて英語ですが、難しい箇所はありませんでした。なお、メールアドレスには後ほどチケット(QRコード)が送られてくるので、間違わないように確認しておくといいですね。
入場開始後は、スタッフにこのQRコードをスキャンしてもらい、保安検査を受けると、入場できます。印刷しなくてもスマートフォンの画面にPDFを表示させたもので大丈夫でした。
一言
ところで、ヨーロッパではYahooニュースを見ることができません。しかし、ロンドンでは、Yahooメールは見ることができました。ただし、何があるかわからないので、ヨーロッパで予約する場合、Googleなど他のメールアドレスで登録したほうがいいかもしれません。
入場
予約している場合、正門から柵にそってできている列に並びます。開館(10時)の30分ほど前に行ったところ20人ほどの人が並んでいました。
実は、並んでから予約したのです。
予約(チケット取得)専用レーンとは知らずに並んでいたのですが、スタッフの方が『予約のない人は別の入口から入ってください』と言っているのを聞き、慌てて公式サイトを探して予約しました。よく見ると、列の先頭には「No ticket No entry (チケットなしは入場不可」と書かれた看板がありました。
幸い当日の予約枠はありましたが、予約可能な時間帯は一番早くて11時30分からしかありません。とりあえずその時間帯で予約してスタッフの方に尋ねたところ、『予約があるならそのまま並んでいて大丈夫』ということでした。
そういえば、列は時間別にはなっていませんでした。
いったん列を離れてしまったのですが、ふと列を見ると、後の方が私の場所を開けていてくれ、列に戻ることができました。ほっ。今回も後ろにいた中国人の方に親切にしてもらいました^^
10時に入場が始まりました。
『あと1時間半後に来てください』と言われたらどうしようかとドキドキしていたのですが、とくに時間を指摘されることなくすんなりスタッフにスキャンしてもらえ入ることできました。今後混雑が激しくなったら運用は変わるのかもしれませんが、2024年5月時点では、直前でも「とりあえず当日予約」で大丈夫でした。
QRコードをスキャンしてもらったら、その後、荷物検査を受けます。リュックなど大きな荷物を持っている方は、スタッフに検査してもらいましょう。
開館時間
・10:00~17:00(年中無休)Daily: 10.00–17.00 (Fridays: 20.30)
Last entry: 16.45 (Fridays: 20.15)
※最終入場 16:45
上記は、2024年5月の営業時間です。変更となる場合もありますので、公式サイトで最新情報をお確かめください。
建物内部も素敵です。
さて、さらに先に進んでみましょう。
グレートコート
大英博物館の建物に入ってすぐに目に入ってくるのは、2000年に増築されたグレートコートです。
現在の建物の中核をなす4棟のメインの建物(1823年に設計)は、天井付きの中庭にあたる、このグレートコートを取り囲むように位置しています。
建物の中央部にある円形閲覧室は1857年に完成し、当初は図書館として機能していました。こちらは、図書館時代は、当時英国留学中だった夏目漱石も通っていたと言われています。
現在、貴重な図書は大英図書館に移り、そこには特別展示場やレストランが入っています。レストランは、公式サイトで予約もできます。
こちらのレストランの人気はティータイム(15時~17時半)。
博物館でいただくことができるアフタヌーンティは、優雅な体験になること間違いなし。紅茶は飲み放題で、食べきれなかったお菓子類は持ち帰ることもできます。
レストランのそば、グレートコートと展示室の間は、カフェやインフォメーションカウンター、ガイドブック売り場がならんでいます。
大英博物館は、基本的に入場無料ですが、維持や管理のために2~5ポンドの寄付が推奨されています。
私は、グレートコート横の売店で日本語のガイドブックを買いました。このガイドブックを見ながらの散策も楽しい!
募金だけでなく、グッズを購入したりカフェでお茶したり楽しみながら博物館の維持に貢献できる方法もありますよね。
クロークルーム
営業時間
・11.00–17.00 (金曜日のみ20.30まで)
※最終利用時間は閉館の1時間前
※荷物の引き取りは閉館の30分前まで
クロークルームは、美術館の正面玄関を抜けてすぐに左に曲がるとあります。
荷物の重さがが、8kg、かつ40x40x50cmを超える荷物 (すべての車輪付きスーツケースを含む) は預けることができませんので、お気を付けください。なお、大きな荷物は、ユーストン駅、キングスクロス駅、チャリングクロス駅などの主要鉄道駅で預けることができます。
値段
・コート – £2
・バッグ(4kgまで) – £2.50
・バッグ(4kgから8kg) – £5
・傘 – £1
※折り畳み傘は無料– free
※2024年5月時点
※大英博物館の会員は、クロークルームの利用が無料となります(規則は同じものが適用されます)。
- 出所:クロークについて
館内マップとおすすめの作品
グレートコートの右にあるインフォメーションカウンターには館内マップが付いたパンフレットがありますので、ぜひいただいておきましょう。見逃したくない展示品の場所が黄色いアルファベットで記されており、広い博物館内を散策するときに役立ちます。
レベル0
レベル0は、日本の1階にあたります。
- 2a:The Holy Thom Reliquary (聖なる茨の聖遺物箱)
- ロゼッタストーン(展示室4)
- アッシリアの守護獣神像(展示室10)
- パルテノン神殿(展示室18)
- ホア・ハカナナイア像(展示室24)
レベル1
- 唐王朝の像(展示室33)
- シヴァ・ナタラ―ジャ像(展示室33)
レベル3
- ルイス島のチェス像(展示室40)
- Astrolabe:アストロラーベ(展示室42)
- Oxus (オクサス) の財宝(展示室52)
- ポートランドの壺(展示室70)
地下
- ベニンのブロンズ
ここからは、個人的に大好きな展示室をいくつかご紹介いたします。
まずは、一番人気の展示室4・古代エジプトの展示室へ。
エジプト〈展示室4〉
グレートコートを正面に見て左側には、古代エジプトの至宝が展示さてているスペースへの入口(レベル0:日本の1階)があります。
こちらは一番人気なので常に混んでいるのですが、朝早く入ったときは比較的ゆっくり見て回ることができました。
ロゼッタストーン
館内の向かって左側の入り口から入ると最初に目に入るのがエジプト考古学史上もっとも重要だと言われている「ロゼッタストーン」。
ロゼッタストーンは、紀元前196年、プトレマイオス5世び王族儀礼を確認する司祭評議会の勅令が刻まれているものです(出所:大英博物館・日本語ガイドpp26)。
1799年7月15日、フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトがエジプト遠征を行った際、アレクサンドリア近郊の都市ロゼッタ(ラーシードという町の地元の人の呼び名)で発見された石碑(玄武岩)です。1801年にイギリス軍がフランス軍を降伏させたことにより、イギリスに所有権が移りました。
石碑の上段に古代エジプト語のヒエログリフ(神聖文字)、中段にデモティック(民衆文字)、そして一番下に古代ギリシャ文字の3種類の文字が刻まれています。その解読には時間を要しましたが、フランスのシャンポリオンが、1822年に翻訳に成功し、その後、エジプトのヒエログリフを理解するための鍵ともなりました。
ロゼッタストーンの両側の部屋には、ラムセス2世の像など、見ごたえのある展示品が所狭しと並んでいます。
ラムセス2世像
ラムセス2世像は、大英博物館で最大のエジプトの像だそうです。
この名君の統治により、エジプトは67年近く繫栄を続けました。
最初の展示室4には見どころがたくさん!
横に広い展示室なので、まずはこちらを堪能しましょう。
現地でどのように見つかったかが分かる写真も添えられている展示品もあるので、じっくり見ているとかなり時間を要する場所です。なお、有料のオーディオガイドもありますので、聞きながら歩くのもいいですね。
こちらも実物を見てその大きさを実感したい展示品のひとつ、アメンホテップ3世の頭部像です。
アメンホテップ3世は、当時のエジプトの首都テーベの神殿に設置するために、自身の像を大量に制作するように命じたそうです。花崗岩で作られた頭部のそばには、同じ像の腕部も展示されています。
この腕の大きさから、本来の像がどのくらい大きかったか想像できますね。
ところで、この腕の部分をたたきながら歩いている日本人に遭遇しました。ひえ~と思ったのですが、もちろん展示物に振れてはいけません。
なお、展示室4につながっている(同じフロア)には、必見のアッシリアの守護獣神像(展示室6)もありますので、そちらを見て、まだロゼッタストーンのある場所に戻ってきました。右を向いても左を向いても素晴らしい展示品が並んでいて迷ってしまいそうです。でも、ロゼッタストーンを目印にして歩くと、回りやすかった気がします。
古代ギリシャとローマ〈展示室17〉
ロゼッタストーンの奥に続いている通路からそのまま同じフロアを進んで、古代ギリシャとローマの世界へ。
展示室へ続く通路の一角にさりげなく置かれていたのは、ネレイド・モニュメント。クレサントス(現在のトルコ)で発見された当時の支配者・エルビナの墓です。
エルビナはギリシャ人ではありませんが、ギリシャの神殿に似た墓に埋葬されることを望んだため、こういう形になりました。ギリシャ神話の海のニンフであり、海神ネレウスの娘たちであるネレイドの彫刻は、この記念碑的な墓の柱の間に配置されていたそうです(展示中の再構築されたこの部分は議論の的とか)。
その後、展示室18にある「パルテノン神殿」の彫刻群のコーナーへ進みます。
ギリシャ・アテネのアクアポリスにあるパルテノン神殿は、紀元前447年から432年にアテネの守護女神アテナを祀る神殿として設計されました。特に目を引くのは、 ≪セレネ馬(The Sculptures of the head of a horse)≫、飛び出した目とたるんだ皮膚の状態が、月の女神チャリオットを曳いて天空を駆け巡った馬の疲労を表していると言われています。
これらは、イギリス政府が1816年に買い取ったパルテノン神殿の彫刻に含まれていたものだそうです。
ギリシャ彫刻だけをずーっと見ていると飽きてしまいますが、ガイドブックなどで背景と照らし合わせて見ていくとかなり楽しめるコーナーです。
日本ギャラリー〈92-94〉
さて、ヨーロッパの展示品を見た後は、先にアッパー・フロア(レベル5)へ。エレベーターもあります。
こちらの展示室(92~94)には、平安時代に制作された彫像や貴重な陶器、兜や甲冑、着物、茶室にいたるまでさまざまな展示品が展示されています。
不動明王像(上の写真の右)は、密教における重要な仏様です。「不動」の名は、恐ろしい外見の幻想に隠された不変の実在の本質を表しているそうです。
中央には、武士の鎧兜が展示されています。
こちらは、1500年~1800年に作られた別々の各部をひとつにまとめたものだそうです。1500年代にポルトガルから鉄砲が伝来すると、厚い金属製の防弾胸あてが鎧に追加されました。武家は、軍事行動の脅威を利用して日本の平和を維持した支配者と紹介されていました。
展示室は博物館の喧騒から逃れるだけでなく、日本の伝統文化がどのように紹介されているかを知れる興味深い場所です。日英同盟時代に貰い受けた貴重な陶器や茶室など、さまざまな展示品が並べられています。
周囲から聞こえてくるのはフランス語が多かった気がします。
今回初めて行ってみましたが、適度な見学者数ゆっくり見て回れ、仏様のお姿に心揺さぶられました。
展示室62~63
日本の天日室からそのまま階段を下りてきた場所にあるのが、ミイラ(Mummies)および金箔を施した内棺(The gilded inner coffins)展示室63です。
死者をこの世から不死の存在へと確実に移行させるために、手間のかかる葬儀の準備と儀式が行われました。こちらでは、石棺やミイラや埋葬品などが展示されています。
エジプトのカイロ美術館に行ったとき、大英博物館の方が展示物が多いなあと思ったことを覚えています。所狭しと並べられた展示品の数々は圧巻です。この辺りはパンフレットのおすすめの場所に入っていませんでしたが、やはり古代エジプト人気はすごくとても混んでいるエリアで、はるか昔の世界に浸れること間違いなしの場所です。
同じフロアには、大英額物館おすすめの ≪Oxus (オクサス) の財宝(展示室52)≫や≪ポートランドの壺(展示室70)≫もあるのですが、今回は疲れてしまったので、そのまま階下へ。
イースター島のモアイ像〈展示室24〉
最後はレベル0まで下りてきて、イースターのモアイ像を鑑賞。
玄武岩で作られたこの非常に大きな彫像は、先祖を象徴するもので、巨大な石像(モアイ)で有名なイースター島で発見されたものです。「ハカナナイア」とは『盗まれた、あるいは隠された友』の意味で、目にはもともと赤い石やサンゴがはめ込まれ、石像自体も赤と白で採食されていたそうです。
このモアイは、1868年にイースター島に遠征した英国海軍が勝手に持ち出したものとか。なお、時間のある方は、ホア・ハカナナイア像 のすぐ横にある階段を下りて、アフリカの展示(展示室25)の見学もおすすめです。
見たい作品を探す
上記でご紹介したルートでゆっくり鑑賞した所要時間は、1時間半ほどです。
毎回もっといろいろ見たいと思うのですが、結局は同じような展示品を鑑賞して、疲れて、去ることになります・笑。
なお、公式サイトでは展示品を見ることができます。事前にざっくり見ておいて、好きな展示品は、現場でゆっくり細部まで鑑賞するといいかもしれませんね。
アクセス
ところで、大英博物館は町中にありますので、地下鉄でもバスでも簡単にアクセスできます。
地下鉄
・ラッセルスクエア駅
・ホルボーン駅
・トッテナム・コート・ロード駅
・グージストリート駅
大英博物館周辺には全部で4つの地下鉄の駅があり、いずれも徒歩で10〜15分ほどで行くことができます。地下鉄の駅の出口には大英額物館のマークがあるので、道に迷う心配もないと思います。
バス
一方、周辺にはバス停もいくつかあります。
大英博物館の正面にもバス停「British Museum」があり、14番のバスに乗るとこちらに来ることができます。
ただし、こちらの道は日中かなり渋滞しますので、少し離れたバス停(大通り沿い)を利用する方法もあります。
19、もしくは38番のバスに乗れば、バス停「Museum Street」まで来ることができます。来るときは、こちらのバス停を利用しました。
バス進行方向と逆に進んで最初の角を曲がり、上の写真の通りをまっすく5分ほど歩くと大英博物館が見えてきます。なお、この通りには口コミのいいカフェやレストランがたくさんありました。
帰りは、次の博物館へ行くため、14番のバスに乗りました。
やっぱり、道は混んでおり、大英博物館の前の道路を抜けるまで時間がかかりました。なので、お急ぎの場合は地下鉄、もしくは少し離れた場所の停留所からバスに乗るのがいいかもしれませんね。
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さいごに
大英博物館には膨大な数の展示品があります。
すべてを網羅しようとすると、気が遠くなるような時間がかかり、最後は疲れてしまい何が何だか分からなくなってしまうかもしれません(←いつもの私)。私もそうですが、短期の旅行者が大英博物館だけで1日を費やすということはないでしょう。
なので、事前に大英博物館の公式サイトで、展示物やイベントを調べておくといいかもしれません。あれもこれも見逃したくないと思って見ていると疲れるだけですし、正直、記憶に残らないでしょう(ただ大英博物館に行ってきたというだけで)。必見とされていなくても、本当に心揺さぶられたものは記憶に残るような気がします。人ぞれぞれ興味は異なりますので、「自分はこれは見たい!」とポイントを絞って行くのもいいかもしれませんね。
また、歩いていると人だかりがある展示品がありますので、その波が引いた後にゆっくり見ることも一つの方法です。無料ですので何日かに分けていくこともできます。大英額物館での鑑賞は、欲張らないのが一番楽しめるのでは、と思っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。