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秋深まる韓国へ1泊2日で行ってきました。
半年ぶりなのでいろいろ情報収集していると、トコジラミ(南京虫)の話題が目につきました。しかし、奇しくも、渡韓予定の12月13日から12月8日までの4週間は、トコジラミの拡散を防ぐ集中防除期間。韓国のトコジラミ対策はどんなものなのか?実際に旅行して感じたことと、経験者のトコジラミ対策についてご紹介いたします。
※2024年4月の体験も追記しました。
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トコジラミ
トコジラミは、体長が5〜8mm程度、南京虫(ナンキンムシ)とも呼ばれる吸血昆虫です。英語ではBed Bug(ベッドバグ)、韓国語は빈데(ビンデ)といいます。体の色は褐色で、夜、寝ている人の手や足、首など露出している部分から血を吸うことが多いとされています。
刺されると、強いかゆみを引き起こす場合があります。
潜む場所
トコジラミ」は、英語でBed Bug と言われるように、ベッド(枕カバーやベッドパッドなど)や室内の「隙間」に潜り込んでいると言われています布団やシーツなどに(墨汁の汚れのような)黒いシミが見つかったら、その周辺は念入りに探した方がいいそうです。
韓国以外の発生状況
トコジラミの発生は、韓国以外の国でも報告されています。2010年には、トコジラミが繁殖して、ニューヨークマンハッタンにある有名な.衣料品店が一時閉店に追い込まれました。また、少し前、フランスでも発生しているというニュースもありました。
コジラミが撲滅状態だった日本でも近年、発生事例が報告されています。宿泊施設だけでなく、ネットカフェなどで見かけたり刺されたり、あるいは海外から届いた通販のダンボールに寄生していて部屋で増殖したなどの事例もあります。
東京都内の保健所に寄せられたトコジラミの相談件数は、令和3年度は281件で、15年前のおよそ4倍になっているそうです(出所:NHK首都圏ナビ)。
ねずみや害虫などの防除・防疫に関する活動を行っている東京都ペストコントロール協会によると、同協会に寄せられたトコジラミに関する相談件数は平成29年が120件、30年は166件、令和元年には246件と増加傾向にあった。新型コロナの感染拡大が本格化した2年は190件、3年は184件といったん減少。ただ、昨年は246件とコロナ禍前の水準に戻った。
産経新聞
トコジラミ対策の普及啓発の一環として、旅館業営業施設の施設管理者向けパンフレット「トコジラミQ&A」(PDF:2,286KB)も公表されていますが、国内のことに関しては、あまりニュースになっていないですね。決して煽るつもりはありませんが、用心に越したことはない気がします。
刺されたらどうなる?
トコジラミに刺された場合の反応には、個人差があるそうです。
最初は刺されてもかゆくない時期があり、その後は「夜も眠れないほどのかゆさ」を感じます。私も、最初は、刺された跡もなかったので乾燥による痒みだと思っていました。トコジラミとは微塵にも思わなかったのですが、あまりにも激しい痒みが続くので、皮膚科を受診したところ、トコジラミによるものだと診断されました。抗ヒスタミンの外用薬を塗布しましたが、激しい痒みはしばらく続きました。人によっては、リンパ節の腫れや発熱を伴う場合もあるそです。
なお、虫刺されなので、人にうつることはありません。
対策
トコジラミ発生時の対策には、以下のようなものがあります。
- 専用殺虫剤
- 加熱
- 専門業者に依頼
トコジラミは、衛生害虫に指定されているので、医薬品、医薬部外品の殺虫剤を使用するといいそうです。
トコジラミは熱に弱いため、薬剤を使用できない(ヒトが直接触れる)寝具に関しては、ノズル付き高温スチーマーなど高熱で処理する方法もあるそうです。また、衣類などは、乾燥機の使用も有効とされています。
しかし、トコジラミの幼虫や卵は1mm程で非常に小さく、全てを発見することが難しいそうです。なので、少しでも痕跡を見つけたら、専門家に除去をお願いするほうがいいとされています。
- 参考サイト:東京都ベストコントロール協会|防除方法
韓国での対策
ちょうどソウルに着いた日、トコジラミ駆除に関するニュースをテレビで見ました。
最初にトコジラミが発生した場所は、仁川の大学の留学生が泊まっていた部屋だそうです。そのため、複数の専門家は、トコジラミが海外から流入した可能性が高いと分析。11月14日には、外国人乗客の割合が高いことを考慮し、仁川国際空港とソウル駅を結ぶ空港鉄道の車両の防除作業が始まりました。直通列車から一般列車まで順次作業を進めるそうです。
2024年4月に行ったとき、トコジラミ関連のニュースをテレビで見ることはありませんでした。明らかに観光客は増えていますが、あまり気にしている様子もないような気がしました。
2023年11月と2024年4月に、空港と市内の移動に空港鉄道を利用しました。2023年時にはトコジラミ対策のニュースを見ていましたし、今回も安心して利用できました。
(あくまでも私の周囲だけですが)あまりトコジラミを気にしている人はいなかった感じがします。
確認サイト
ところで、コロナのときもそうでしたが、さすがIT先進国の韓国!2023年11月時点では、トコジラミ(韓国語:ビンデ)の発生状況に関するサイトができていました(現在は閲覧・リンク不可)。
報告されたビンデ(トコジラミ)の出没の地域は、2023年11月16日現在で38カ所。
韓国語になりますが、関連記事も多く書かれていました。
地図上に、出没や疑いのある地域も表示されていました。
やはり、ソウル近辺が多いですね。
一番多多い出没場所は、ソウルの家やコシウォン、モーテル、そしてアパートなどとなっています。
「家」での発生が多いのは、荷物等と共に外から持ち込まれることが理由だと考えられています。なお、コシウォン(韓国語:고시원)とは、漢字表記では「考試院」となります。 元々、試験を控える人が家賃を抑えつつ勉強に集中するための部屋でしたが、今では学生に限らず様々な人が利用しているそうです。
サイトには最最新情報や症状、対策などが書かれています。韓国語なのですが、グーグル翻訳機能を使うと(所どころおかしいですが)、意味は取れると思います。さすが、IT先進国!こういった対策はとても早いですね。なお、ソウル・京畿 (キョンギ)・仁川 (インチョン) など首都圏の自治体は、各脆弱施設にトコジラミ防除自律点検を促しています。さらに、トコジラミ発見時には、コールセンター(120番)や市・郡保健所に直ち知らせるよう呼びかけているそうです。
安心マーク
ソウル市内の宿泊業者2000カ所余りが「トコジラミ(南京虫)安心マーク」オンライン表記に参加する。 ソウル市は、宿泊業者デジタル情報企業「オンダ(ONDA)」と協約を結び「Tマップ宿舎予約」を手始めにトコジラミ安心宿泊施設を本格的に明示する。トコジラミが発生していない宿泊施設を表記して市民の不安感を解消し、宿泊業界の自律防疫などを促す。
Yahoo!ニュース
ソウル市内の宿泊業者では、Bed Bug Free Facility (トコジラミ安心マーク) のマークを貼っているホテルもありました。また、客室の消毒と害虫駆除(トコジラミトラップ含む)を定期的に行っており、その旨を公式サイトで発表してくれている日系のホテルもありました。
2024年4月に実際に泊まりましたが、とても清潔で安心して眠ることができました。もちろん、電気を消しても大丈夫でした。
旅してみて
ところで、トコジラミの事例は日本でも報告されていますし、私は、10年前にチュニジアで刺されました。友人は、パリの5つ星ホテルで刺されたそうです。なので、世界中どこにいてもリスクはあると思います。しかし、韓国のように簡単に発生情報を知ることができたり、安心マークを貼っていたり、消毒のようすを報道したりという対策をあまり見たことがありません(私が知らないだけかもしれませんが)。
なので、行く前は不安でしたが、実際に行ってみて、その不安はほぼ払拭されました。
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自分でできる対策
しかしながら、念には念を。
トコジラミに刺された経験から、自分でもできる対策は講じています。トコジラミ対策のキーワードは、ツルツル と 50℃以上の高温 だそうです。
なので、まずは日本からの荷物は、すべてビニール袋などで巻いておきました。
そして、旅先のホテルに着いて帰って来るまでは、以下のことを実施します。
- 部屋に入ったら、まずベッド(マットレス)の確認
- 荷物は床に置かない
- ガムテープは意外と役立つ
- スリッパと長袖パジャマ
- 汚れものはまとめてパッキング
- 帰国後は玄関で整理、洗濯
トコジラミを含む害虫駆除の殺虫剤は、飛行機(貨物室を含む)に持ち込めません。
ベッドの確認
部屋に入ってスーツケースやバッグを開ける前に、まず、ベッド回りの確認をします。
スーツケースは、お風呂場の床(水で洗い流せる場所)に置いておきました。
トコジラミはベッドのすみっこに集まると聞きました。
ベッドシーツの四隅をめくって、角をトリミングしている溝やすみっこのホコリがたまりそうな部分をチェックするようにしています。
こちらのホテルのベッドマットは、とてもきれいでした。
トコジラミがいるときは、墨汁で汚したようなフンが見つかるそうです。
トコジラミは熱に弱いため、駆除には、スチームクリーナーを用いる方法(60℃で10分以上)もあるそうです(参考:トコジラミについて)。なので、荷物にドライヤーで熱風をかけるという話を聞いたことがあります。でも、小さなバッグだけならともかく、部屋や持ち物全てに行うことは無理ですし、無駄だと思います。なので、なにか怪しい痕跡を見つけたら、すぐにホテルのスタッフに申し出ることが一番ですね。
荷物は床に置かない
トコジラミは、ツルツルしたところが(歩きにくくて)嫌いだと聞いたことがあります。
なので、バッグはカーペットなどの床に置かず、ツルツルした所に置きましょう。大きなビニール袋に入れておくのもいいかもしれませんね。
場所がない場合は、お風呂場に車輪を下にして立てておきます。トコジラミは熱に弱いとされているだけでなく、熱いお湯で洗い流せますからね。
また、滞在中、洋服類はビニール袋に入れてそのままスーツケースの中に入れておきました。そのスーツケースは、お風呂場において、電気をつけたままにしておきました。
ガムテープ
いつも、ガムテープを少し巻いたものと、ビニール袋を何枚か、旅行用のバッグに入れてあります。
これは乗務員時代に先輩から教えてもらったアイデアですが、乗務中、小さくしたガムテープをいつもポケットに入れておきました。機内や旅先での埃取りに使っていたのですが、お土産の袋が少し破れたときなどの補強にも使えます。また、ホテルの部屋の埃や小さな虫などをくっつけて取るのにも使えます。使ったガムテープは汚れ部分を内側にして(くっつけて)、ビニール袋に入れてしっかり封をして捨てます。
内容物によっては、ビニール袋を二重にしたり、ゴミである旨を書いて、清掃の方の迷惑にならないようにしています。
でも、今回泊まったホテルは、とてもきれいに掃除された部屋(また虫の被害もなし)だったので、使うことはありませんでした。
スリッパとパジャマ
ホテルの部屋では必ずスリッパか靴を履いています。当たり前のことかもしれませんが、私の友人にはホテルの部屋でスリッパを履かない人もいるので、あえて書きました。トコジラミが心配なら、床にいる(かもしれない)害虫がベッドに入って来ないようにすることは大切ですよね。
今回泊まったのは4つ星ホテルですが、使い捨ての他、しっかりしたスリッパも用意されていました。最近、スリッパを置いてくれているホテルは増えましたね。もしスリッパがなかった時の時のために、常にスーツケースには入れてありますが、特に今の必須アイテムです。
底が厚めのスリッパを持参しました。
また、トコジラミに刺されないためにも、寝るときは長袖長ズボンのパジャマを着て、できるだけ肌を出さないようにもしています。
帰国前のパッキング
滞在先の注意事項は多いのですが、トコジラミは持ち帰らないことも重要です。
旅先には、いつも洗濯ネットを持って行きます。
洗濯できないものは、洗濯ネットに入れ、さらにビニール袋などに入れてからスーツケースにしまいます。帰国後、そのまま洗濯機へ入れることができる準備をしておくと、家の中に害虫を持ち込むリスクを減らせます。ちょっと面倒に思われるかもしれませんが、慣れるとかえって楽です。
ランドリー施設があるホテルなら、帰る前にTシャツやパジャマ、肌着類などを洗濯して乾燥機にかけて袋にしまって帰国します。
帰国後は玄関で整理
最後に、トコジラミは、家に入れないことが一番重要です。
ちなみに、トコジラミが増えてしまった場合、一般の住宅だと駆除にかかる費用は、一部屋平均10万円程度だそうです(幅はあるかもしれませんが)。なので、玄関で、まずスーツケースなどをアルコール消毒します。
- 玄関で本体やキャスター部分をアルコールで消毒する。
- 可能なら、玄関のタタキでスーツケースなどを開封する。
- 帰国前に準備していた洗濯ネッや(汚れた服など)を洗濯機に入れる
- コートを外で干しておく(可能ならスーツケースやバッグも日干し)
- 入浴
玄関でアルコール消毒した荷物を室内へ置く(開ける)場合は、あとで掃除しやすいよう、大きなビニールの敷き物等を敷いた上に置きます。
荷物を取り出した後、ビニールは封をして捨て、高温(60度以上)のお湯で玄関を洗浄しました。
高圧洗浄機を使ってもいいかもしれませんね。
洗濯物は(トコジラミは熱に弱いようなので)、お湯で洗濯して乾燥機にかけます。夜遅くに家に戻り、すぐに洗濯が難しい場合でも、(洗濯物入り)ネットを洗濯機に入れておくだけで、部屋に広げてしまうリスクを減らせると思います。
コートなどアウターについては、そのままクローゼットに入れないようにしています。衣類タグに「高温アイロンOK」の表示がある場合は、スチームアイロンなどをあてるのもいいかもしれません。ドライヤーの熱風をあてる方法も紹介されていますが、焦げたり別の問題が発生しないよう注意が必要です。今回は、ダウンコートだったので、帰宅時はお風呂場に吊るしておき、次の日に陰干ししました。
あとは、自身の汚れもしっかり落としましょう^^
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さいごに
2023年11月の韓国・トコジラミ対策情報と、2024年4月ようすに合わせて、私自身の対策をご紹介いたしました。
今のところ、ソウルの大型ホテルで発生して大問題になったという話は聞きません。反対に、終息したというニュースも見ませんでしたが、2024年4月に行ったときは、あまり気にせずに旅行できました。また、ソウルの地下鉄の座席の多くはステンレス製なので、座席にトコジラミが潜む心配もありませんよね。
なので、楽しく過ごすことができました。
泊まったホテルのようすも合わせて、どうぞ。
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