旅とアロマにお越しくださり、ありがとうございます。2022年のタイ(主にバンコク)旅行の続きです。
バンコクの郊外には、タイの遺跡や寺院などを再現した「エンシェントシティ」というテーマパークがあります。敷地も実際のタイの形になっており、アユタヤなどの遺跡は、実際と同じ中央部に配置されています。ゆっくり見て回っても4~5時間あれば、タイ国内1周の旅ができます。しかも自転車で!
今回は、簡単にタイの遺跡など見て回れる「エンシェントシティ」の見どころをご紹介いたします。
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エンシェントシティ
エンシェントシティ(タイ語:ムアンボーラン)は、1972年に造られた、世界最大の屋外博物館です。
128万平方メートルの広大な敷地内には、120箇所(現在も増築中)を超える文化遺産のレプリカが建ち並び、簡単にタイを一周できる場所として知られています。
タイ建築の素晴らしさを知ってもらうためと同時に、観光促進に役立つのではないかと思いから建設されたそうです。
意外と歴史のある施設ですが、あまり知られていません。
基本情報
- 営業時間 09:00~18:00
- 料金 大人: 700バーツ, 子供(6-14歳): 350バーツ
- URL http://www.ancientcitygroup.net/ancientsiam/en/home/
アクセス
バンコクの中心部から少し離れているのですが、アクセスはそんなに難しくはありませんでした。
タクシーで行く場合
3人以上で行く場合や、直接アクセスする場合は、タクシーや配車アプリGrabなどを使うと便利です。
ただし、バンコクでGrabを使う場合、二重請求(クレジットカードで支払っているのに運賃を請求してくる)も最近報告されているので、お気をつけください。
もしカード決済しているのに請求されたら、運転手さんの横のリーダーにも料金の上にクレジットカードのマークが表示されていますので、『クレジットカード』と言って降りれば大丈夫です。
バスで行く場合
これは、ちょっと上級者のアクセス方法です。
バスは「パーク・ナーム」行きの507・508・511番のどれかに乗ってパーク・ナームで降り、36番のソンテウ(ミニバス)に乗り込みます。
BTSで行く場合
エンシェント・シティの最寄り駅はBTSスクンビット線のケーハ (Kheha) 駅です。
Kheha駅(3番出口)すぐ下から36番のソンテウやタクシーなどに乗車すると、6分くらいで到着します。
BTSの一日乗車券を使えば、安く移動できます。
3番出口は進行方向左側にあり、見下ろすと、ソンテウがたくさん停まっていました。
ここに来る外国人旅行者はほとんど「エンシェントシティ」を目指しているようで、ソンテウを案内している人が『これに乗って』と指示してくれました。
8人位乗ると満員のようで、すぐに次のソンテウがやって来ます。なので、待ち時間はほとんどありませんでした。
エンシェントシティに近づくと、ブザーを押さなくても、ソンテウが止まってくれました。
運賃は10バーツ(2022年11月現在)、降りるときに運転手さんに支払えばOKです。
ちなみに、帰りは、歩道橋で反対側の道に渡り36番のソンテウが来たら手をあげて乗車しました。
入園とチケット
「エンシェントシティ」の入り口には、大きな看板がありました。
短い橋を渡り、入って行きます。
どんどん奥に入ってきましょう。
チケット
公式のチケット料金は700B (バーツ) と少し高めですが、 トラムサービス(1時間30分)が含まれています。
”TICKETS” と書かれているところで、入場チケットを買うことができます。
ただし、タイ在住でない外国人の場合、KKday か Klook で事前にチケットを購入することをおすすめします。
以下、チケット料金を比較してみました。
単位:B(バーツ)
エンシェントシティの入場料は、他のタイの施設と同様に、外国人料金とタイ人料金に分かれています。
タイ在住の外国人であれば、チケット売り場で労働許可証(work permit)を見せれば、タイ人料金(大人400B、子供200B)で入場することができます。
一方、外国人が現地で購入すると700バーツ(約2,800円)なのですが、KKday や Klook といった予約サイト経由でチケットを購入すると、半額になります。
大人だけで行く場合は、KKdayや Klookで予約するのがおトクです!
KKday や Klook で事前に購入した場合、バウチャー(スマホの画面も可)を "ONLINE BOOKING&TOUR AGENT" に提示すれば、園内の地図とチケットをもらえます。
スタッフの方が、見どころやレストラン、そして閉鎖中の場所を簡単に説明してくれます。
今回は、タイ西部から始め、北に行き、最後に中央部に戻ってくるように回ろうと計画しました。
エンシェントシティ内の移動方法
- ゴルフカート
- 自転車・電動自転車
- 自家用車
- トゥクトゥク(1時間30分)
エンシェントシティの敷地はとても広いので、徒歩での移動・見学は無理です。
自転車やゴルフカートなどを借りて、見学することになります。
ゴルフカート
何人かで来た場合は、ゴルフカートが便利です。
ゴルフカートは、4人乗りと6人乗りの2種類があり、レンタルの際に運転免許の提示が必要です。
料金
・4人乗り:最初の1時間350バーツ、以降1時間ごとに200バーツ
・6人乗り:最初の1時間500バーツ、以降1時間ごとに300バーツ
運転免許がない人は、ドライバー同行も可能(200バーツ)だそうです。
自転車
私は、自転車(昔のママチャリのような感じ)を借りました。
自転車を借りるとき「パスポート」か「ID」の提示が必要ですが、パスポートは、写真のページをコピーしたものでも大丈夫でした(2022年11月体験)。
詳細
1.いちど外に出て、自転車を選ぶ
2.番号札をもらい、カウンターに戻って支払う(150B+ディポジット200B)
最後に自転車のカギを返すと、ディポジットの200バーツが返却されました。
ちなみに、電動自転車(250B/3時間)もありますが、道路がきれいに整備されているので、普通の自転車で何の問題もありませんでした。
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Southern Region
ところで、エンシェントシティの敷地は、タイとほぼ同じ形になっています。
入り口から入ってすぐの場所は、Southern Region(タイの南部)です。
その辺りには、無料で入れる場所もあります(すでに入場料を払っているので関係ないですが)。
最初に目についたのは、スラ・タニー県にある、プラ・マハ・タートの仏塔(The Stupa of Phra Maha That, Chaiya, Surat Thani)。
仏塔の構造は、インドネシアのChandi Pawana仏塔と同じだそうで、ジャワで見つかった仏塔を再現してるようです。
タイ南部では最も神聖で重要な僧院の仏塔だそうです。
その奥にはオールドマーケットがあり、お土産を買うことができます。
ここから左の方向へ進んでみることにしました。
Buddhavas of the Substanceless Universe
次に向かったのは、Buddhavas of the Substanceless Universe。
遠くからでもよく見える金ぴかの寺院です。
所どころ、おさるさんマークがあり、写真スポットになっています。
この橋は自転車では渡れないようなので、少し手前に自転車を停めました。
借りた自転車には、しっかりした鍵(車輪止め)が付いているので安心でした。
敷地内には、大きな白い象がいました。
多くのタイ国民が信仰しているのは仏教では「ブッダのお母さんはある日、白い象がお腹に入る夢を見て、ブッダを身ごもったことを知った」という逸話があり、タイの人なら子どもでも知っている有名な話だそう。
タイの人々とゾウの深いつながりを知る
中でも白い象はブッダの化身とされ、ブッダの前世が白い象だったという説もあるそうです。
白い象というよりはピンクのような色合いです。
象の足の周りを3回歩くと、神様のご加護を受けられるそうです。
後期のアユタヤ建築に影響を受け建設されたという寺院。
細部までよく造り込まれていました。
同じ敷地内にある建物の中には、Sleeping Budda(涅槃仏/ねはんぶつ)が横たわっていました。
涅槃仏とは、釈迦が入滅する様子を仏像として表したものだそうです。
足の裏には宇宙観を示す文様などが描かれています。
仏堂の反対側に立っている巨大仏陀も迫力があります。
こちらはメインの見学場所ではないようですが、かなり見ごたえのある建造物で、じっくり見ていたらかなり時間が経っていました。
なので、メインストリートに行く前に食事することにしました。
食事
エンシェントシティ内には、食事できたり飲み物を買ったりできる場所がいくつかあります。
この日は朝抜きで来たので、入り口に近いこちらの食堂で食事(ちょっと遅い朝食)することにしました。
メニューはなかったのですが、勧められるままにお願いしたスープヌードル(麺は選べました)。
40バーツ(約160円)でした。
空腹もあってか、期待以上に美味しかったです。
エンシェントシティの見どころ
さて、観光に戻ります。
エンシェントシティはゴルフ場並みに広く、120を超える建築物が存在しています。
なので、チケットを受け取るときに教えてくれた「おすすめの場所」を中心に見ていくことにしました。
なお、修復中などの理由で見学できない場所も教えてくれ、地図上に「✖」印をつけてくれます。
まずは、タイの西部にあたる、Suvarnabhumi(スワンナプーム)エリアへ。
Pavilion of the enlightened
110 Pavilion of the enlightened
※名前の前の数字は、地図上に示されている数字です。
こちらは、大乗仏教のための建物(Pavilion of the Enlightened)です。
緑と金色の屋根が多く連なり、とてもきれいな建物です。
橋を渡って中に入ることができます。
しかし、ここはタイ。
中は金ぴかでした(笑)。
Bodhisattva Avalokitesvara
乾季のバンコクは、朝夕は涼しいのですが、日中は30度近くになることもあります。
とはいっても、まとわりつく暑さではありません。
自転車に乗って走るにはちょうどいい気候でした。
左側に大きな仏像が見えてきました。
106 Bodhisattva Avalokitesavara Performing a Miracle
その先には池があり、その中に千手観音。
両脇には、ドラゴンの噴水がありました。
少し離れていてもマイナスイオンを感じるくらい、爽やかな場所でした。
Sumeru Mountain
102 Sumeru Mountain
こちらは、タイ寺院の壁画にある仏教的宇宙観を象徴的に表した建物だそうです。
中央に建つ仏塔が須弥山を象徴していて、巨大な怪魚アノーンが須弥山を囲んでいます。
左の方にアノーンのしっぽが見えますね。
全体像は、上の写真のような感じです。
工事中で入ることはできませんでしたが、ちょっと気になる建築物でした。
タイの最北部の村
敷地内には、遺跡や寺院だけでなく、タイの村のようすを再現した場所もありました。
こちらは、タイ最北部の村のようすです。
その中を自転車でかけていきます。
タイ北部に着きました。
実際は、バンコクから北へ約440kmのところに位置しています。
タイ北部の南端に位置する古都スコータイも遺跡もありました。
スコータイの名前の意味は「幸福の夜明け」。1238年、タイ族による最初の王朝が開かれた場所です。
(写真を撮り忘れてしまったのですが)スコータイの遊行仏(Walking Buddha:歩くブッダ)もありました。
遊行仏は、悟りを啓いたブッダが立ち上がり、人々にその悟りを広めようと歩き出した最初の第一歩を表現したものだそうです。
実際のスコータイへ行くには、バンコクから直行便の飛行機で1時間20分、またタイ国内旅行の定番であるバスで6時間かかりますが、ここでは自転車で来ることができます(笑)。
The Lan Chang Styled Scripture Repository and Wihan
70 The Lan Chang Styled Scripture Repository and Wihan
タイの東北部の木造の建物。
初期仏教時代、ラオスの国境近くにあった Lan Chang(1941–1946)という州に建てられていたものだそうです。
ちょっと他の建物とは雰囲気が違っていました。
建物の外見は質素ですが、内部の細工や絵画は見事で、見ごたえがありました。
Prasat Phra Wihan
72.Prasat Phra Wihan
崖の上に建っているのは、カンボジア領にある天空の世界遺産「プレアヴィヒア寺院」を再現(本物の1/3程度の大きさ)したものです。
本当は、写真の向こう側が正面になるようです。
本物と同様に、エンシェントシティでも高い場所に建てられていましたが、(工事中で)この日は見学ができませんでした。
以前はタイ側から入ることができたようですが、今はカンボジアからしか行けません。
見られなくて、ちょっと残念でした。
The Phanom Rung Sanctuary
87 The Phanom Rung Sanctuary, Buri Ram
仏教世紀(15~18年)にクメール王によって建てられ、建築は世界と宇宙に関するさまざまな兆候を表しています。
実際の寺院は山頂にあり、太陽の進路に沿ってすべての扉を配置し、日の出と日の入りの間に城の15の扉すべてに太陽光が当たる現象を作り出しているそうです(出所:パノムルン歴史公園)。
The Phimal Sanctuary
86 The Phimal Sanctuary
ナコーンラーチャシーマー県Phimal(ピーマイ)の町の遺跡群。
ピーマイは、国内最大規模のクメール遺跡が残る町で、ヒンドゥー教の神々の姿が彫られた神殿などがある場所です。
多くの建築物は11世紀から12世紀の間、スーリヤヴァルマン1世(在位1011年 - 1050年)によって建てられ、アンコール王朝の主都アンコール・ワットの副都的な役割を担っていたと考えられているそうです(出所:ピーマイ歴史公園)
ピマーイ遺跡はスーリヤヴァルマン1世によって建てられました。一方、アンコールワットは1113~1145年頃スーリヤヴァルマン2世在位中の建立されたので、ピーマイ遺跡の方が、早くできたようですね。
このピマーイ遺跡は、パノムルン遺跡と並び最高峰の建築物と称されており、どちらもかなり見ごたえがありました。
The Garden of Sacred Stupa
92 The Garden of Sacred Stupa
こちらは、仏舎利塔の庭園です。仏舎利が道の両側に並んでいました。
この間を自転車でスイスイ通り抜けて、タイの中央部へ進みます。
この辺りの見どころは、古都アユタヤ。
バンコクから車で一時間程の場所にあるため、日帰り観光でも有名な場所です。
またここはチャオプラヤー川に面しているため、行きはバス、帰りはクルージングといったツアーも出ています。
かつてアユタヤ王朝(1351年-1767年)の都のあったタイ中部のこの町を、自転車で回っていきます。
Location The Footprint of the Lord Buddha
33 Location The Footprint of the Lord Buddha
アユタヤ時代のお堂を再現したものです。
長いナーガの階段の上に金色に輝く仏堂があります。
この仏堂には、お釈迦様の足跡があります。
The Ramayana Garden
28 The Ramayana Garden
ラーマーヤナ庭園です。
ラーマーヤナは、古代インドの大長編叙事詩です。
後期ヴェーダ時代のコーサラ国の都アヨーディヤの王子ラーマの運命を描いた英雄物語で、ラーマは、ヒンドゥー教の最高神の一つヴィシュヌ神の化身とされています。
この庭園では、その物語の一部を表現しているそうです。
Sanphet Prasat Palace,Ayutthaya
27. Sanphet Prasat Palace,Ayutthaya
こちらは、アユタヤ旧市街にあるサンペット宮殿を再現しています。
アユタヤ時代、このサンペット宮殿は国王の戴冠式や、大使受け入れの式典などに利用される重要な建物でした。
しかし、ビルマによるアユタヤへの攻撃により、本物のサンペット宮殿は崩壊してしまい、現在はレンガの土台しか残っていません。
エンシェントシティのサンペット宮殿(レプリカ)は、考古学者や歴史学者が遺跡に残る物的証拠に基づいて、限りなく実物に近く再現したものだそうです。
(内部は撮影禁止のため写真がないのですが)建物の外観だけでなく、内部もとても見ごたえのある素晴らしいものでした。
サンペット宮殿の内部だけ(唯一)スタッフが常駐しており、『写真禁止』と厳しく注意していましたのでお気を付けください。
23. Dusit Maha Prasat Palace (The Grand Palace)
Dusit Maha Prasat Palace(ドゥシット・マハー・プラサート宮殿)は、バンコク市内にある王宮の敷地(218,000㎢もの広さ)内にあり、最初に建てられた木造の宮殿です。
上から見ると十文字の形をしており、屋根は七重のモンドップ型(屋根を重ねて、頂点に突起を建てる工法)になっているのが特徴です。
モンドップ型の建物は経典を収める場所として使われていますが、本物の「ドゥシット・マハー・プラサート宮殿」では、王族の葬儀即位記念日の式典などが行なわれているそうです。
さすがに、ここまで来るとかなり疲れてきました。
この宮殿の前にもお店があったので、冷たいお水(10B)とアイスクリーム(40B)を買いました。
少し復活しましたので、観光を続けます。
建物の中には、黄金の身飾品を身に纏うヒスイ製のエメラルドの仏像が鎮座していました。
バンコク市内にある「ワットプラケオ」に、エメラルドの仏像(ヒスイ製)があるのですが、そちらは写真禁止です。
レプリカのこちらには禁止の文字がなかったので(2022年11月現在)、写真を撮ってみました。
The Phra Kaew Pavilion
30 The Phra Kaew Pavilion
タイの中華系寺院でよく見かける、楼が積み重なった八角の造りが特徴的な建物です。
アユタヤ時代に存在した、宮殿の壁画に描かれた仏殿をもとに再建されたそうです。
庭園には太鼓橋もあり、ちょっと他とは違った風情が漂っていました。
その他の建築物
アイスクリームでエネルギー補給しましたが、あまりにも見どころが多く、かなり疲れてしまいました。
どこも興味深くて、じっくり見ていたので、余計に疲れたのかもしれません。
レプリカと侮るなかれ!どの建物も細部までよく造り込まれており、とても面白い場所でした。
遺跡好きな方には、おすすめの場所です!
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さいごに
急に思い立って行ってみた「エンシェントシティ」。
期待以上!とても面白かったです!
レプリカとは言え、その再現度は高く、しかもタイ全土の有名建築物を半日弱で見学できてしまうのは、とても面白い趣向でした。
古の時代の壁画(レプリカ)のお坊さんがスマホを持っているという面白い一面もあるそうです。
行かれた方は、ぜひ見つけてみてくださいね。
私も、またいつか行きたいと思っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。