2021年の初詣は、2020年のうちに出雲大社で参拝してきました。
今年最初の記事は、良いご縁を結ぶための初詣をご紹介したいと思います。
出雲大社
出雲大社は、大国主大神 (オオクニヌシノオオカミ) を祀る神社です。
一般的には「いづもたいしゃ」と呼ばれていますが、正式には「いづもおおやしろ」というそうです。旧暦の10月 (神在月) になると全国の神様が出雲の地に集い、さまざまな縁を結ぶ会議が開かれることから、縁結びの神社としても知られています。
出雲大社におまつりされております大国主大神様は「〝縁結び〟の神様」として古くから信仰されていますが、これは単に男女のご縁だけではありません。人々を取り巻くあらゆる繋がりのご縁です。広く人々と幸せのご縁を結んで下さる縁結びの神様です。よくあるご質問
ちなみに、神話「イナバの白うさぎ」で知られる「だいこく様」は、大国主大神をさしています。
ご自愛に満ちた神様として有名ですが、だいこく様が背負われた「袋」には、私たちの苦難や悩みが入っていて、私たちの代わりに背負っておられるそうです。
参拝時間 6:00~18:00(無休)当面の間時間が変更されています。
詳細は >>> こちら
アクセス
今回は、一畑電車に乗って行きました。
出雲大社前駅は、出雲大社参詣の玄関口として昭和5年に開業しました。コンクリート平屋建て、丸い半円形の屋根のモダンな洋風建築で、国の登録有形文化財に指定されている歴史的建造物です。
線路側には現役を退いた日本最古級の電車「デハニ50形52号車」が展示され、客室や運転席を自由に見学することができます。
駅の改札、出口は一か所です。
駅舎を出て、駅前の 神門 (しんもん) 通りを右方向に10分くらい歩くと、出雲大社の二の鳥居に到着します。
ちなみに、バスで行く場合、JR出雲市駅より一畑バス「出雲大社」、「出雲大社・日御碕」行きバスに乗り、「出雲大社」バス停下車すれば、二の鳥居まで徒歩約1分です。
しまね観光ナビ さんからお借りしました
今回は、出雲大社前駅から左方向へ進みます。
一の鳥居
左方向へ進むと、一の鳥居があります。
出雲大社には、石、鋼 (はがね)、鉄、銅と、それぞれ違う素材を使った4基の鳥居があります。一の鳥居は石でできていて、鳥居の正面につけられている扁額 (へんがく) は、畳6畳分もの大きさがあり日本最大級だそうです。
鳥居やしめ縄は、神域への入り口を示すもので、私たち人間が住む俗界との境とされています。鳥居をくぐるごとに神様に近づくことができますので、一礼してからくぐりましょう。
一の鳥居からは二の鳥居までは緩やかな坂道になっています。4基の鳥居を丁寧にくぐって、御本殿までの間にしっかり心を整えます。
二の鳥居
神門通りをまっすぐに歩くと、出雲大社の二の鳥居(勢溜/せいだまりの大鳥居)が見えてきました。
大きな石碑とともに立つ高さ8.8m、横幅12mの鋼の大鳥居です。
この先から参道が始まります。参道の真ん中は神様が通られる場所なので、私たちは端を歩きます。
下り参道
出雲大社には、珍しい下り参道があります。両サイドにブナ科のイタジイやアラカシが並んでいる参道を下りながら、一気に厳かな「神威の世界」に入っていきます。
ちなみに、イタジイは、昔から神社などに植栽されている照葉樹林の代表的な樹種です。東北地方南部から屋久島にかけて分布し、大きな木蔭を作っています。アラカシは、いわゆるドングリの木です。
途中、祓井神(ハライドノカミ)四柱が祀られています。こちらで、身についた穢 (けが) れを祓い清めます。まず、こちらに参拝することで、出雲大社の主祭神である大国主命のご神威を清らかな状態でいただくことができるそうです。
拝礼作法
出雲大社の拝礼作法は「二拝四拍手一拝」です。
- 二度拝礼
- 四回手を打つ
- 最後に、一回拝礼する
いなばの白うさぎ
祓橋(はらえのはし)を渡ると、松の参道につながる三の鳥居があります(写真を撮り忘れました)。
橋の下を流れる川は、出雲大社の後背の八雲山から流れる清流です。八雲山(高さ約100m)は、古来から禁足地とされる神聖な山だそうです。
松の参道は、中央と両側の3つに分けられています。中央は神様の通り道ということで、昔は神職や皇族の方以外は通行できませんでした。現在は、松の根の保護のために中央は通行できないので、端を歩きます。
その途中に、出雲大社のウサギたちがいました。
大国主大神さまが神々の従者となって大きな袋を背負いながらイナバに赴かれている途中、赤裸となって苦しみ悩んでいるウサギに出会われました。そのウサギを助けられたという「因幡の素兎(いなばのしろうさぎ)」のお話しは、古事記に記されています。
白うさぎと「縁結びの碑」
出雲大社境内では、何か所かに「いなばの白ウサギ」がいますので、探しながらお参りするのも楽しかったです。
少し寄り道しましたが、参道に戻り進みます。雲の中から光が差してきました。
ムスビの御神像
大国主大神が、日本海の荒波の向こうから現れた 幸魂奇魂(さきにたまくしみたま)を授けられ結びの神となられたという神話の一場面を再現しています。
手水舎
ムスビの御神像の反対側に、手水舎(てみずしゃ)があります。現在は、ひしゃくが無い状態です。
四の鳥居
四の鳥居は、銅の鳥居です。1580 (天正8) 年に、毛利輝元によって寄進されました。
1666 (寛文6) 年に、損傷部分が多かったため、輝元の孫、毛利綱広が現在の鳥居に造り直しました。銅製の鳥居としては、日本最古のものです。
四の鳥居の奥には拝殿があります。鳥居の中央下に立つと、拝殿が左にずれていることが分かります。こうすることで、御本殿の御屋根を拝することができるように配慮されているそうです。
拝殿は、1959 (昭和34) 年に総ヒノキ造りで再建されました。
高さは12.9mで、大社造りと切妻造の折衷様式です。しめ縄が一般の神社とは左右逆なところにも注目。
参拝の方法
- 銅鳥居をくぐる
- 拝殿にお参りする
- 御本殿にお参りする
- 反時計回りに右から摂社を回る
ここからは、反時計回りにお参りします。これは、太陽と同じ動きで回るということだそうです。
御本殿の高さは約24m、厚い桧皮葺きの屋根の棟の上には長さ7.9mの二組の千木が交差しています。
出雲大社の広さは、約18万㎡ (5万6000坪)です。境内には、国宝の御本殿を中心に拝殿、8つの摂社、 3つの末社、文庫、宝庫、彰古館などが建ち並んでいます。その他、境外の摂社・末社や山林を合わせると、約38万1000㎡ (11万7000坪)となります。
参考資料:出雲大社・よくあるご質問
御本殿
御本殿は、大社造りと呼ばれる、日本最古の神社建築様式です。
現在の御本殿の高さは24mで、1744 (延享元) 年に3年半の歳月をかけて完成しました。
2013年には、60年振りに実施された「平成の大遷宮」で、美しく蘇りました。2平成の大遷宮で、御本殿の大屋根や千木 (ちぎ) などが新装されました。
八足門(やつあしもん)
御本殿の前には「八足門」があり、門の鴨居部分に美しい彫刻が施されています。
通常の参拝者は、この八足門から中へ入ることができません。ただし、正月三が日は八足門が開放されて、御本殿を囲む瑞垣(みずがき)の楼門前まで入ることができます。
神在月と十九社
ところで、1年に1回、出雲大社に全ての神様が集まる月があります。
全国の神々は旧暦10月11日から17日まで7日間、出雲の地で神事 (幽業、かみごと)、すなわち人には予めそれとは知ることのできない人生諸般の事などを神議り(かむはかり)にかけて決められるといわれています。
男女の結びもこのときの神議りであるといいます。
神在月は、全国の八百万 (やおよろず) の神々が出雲の国に集まる月です。
上の絵(@島根県立古代出雲歴史博物館)は、出雲に集まった神様たちが、縁結びの会議をしているようすです。
また、出雲大社では神在祭が執り行われます。毎年旧暦10月11・15日・17日、2021年は、11月15日・19日・21日にあたります。
その7日間の神議り(かむはかり) の間、全国からいらした神様は、この十九社に宿泊されます。東西とも19の扉があり、ご滞在中は全ての扉が開かれます。
二重の結界に守られた御本殿
見取り図を見ると、拝殿の後ろに御本殿が大きくそびえていることが分かります。そして、その御本殿の周りには、二重の結界が張られています。外側は、瑞垣 (みずがき) でした。
その東側には、御祭神. 蚶貝比売命(きさがいひめのみこと). 御祭神. 蛤貝比売命( うむがいひめのみこと)が祀られています。
蚶貝比売命 (きさがいひめのみこと) と御祭神. 蛤貝比売命 (うむがいひめのみこと) は、大国主大神が若いころに受けられた試練による大火傷の治療看護に当たられた女神です。そのため「看護の神」と称えられています。
直接はお世話になっていませんが、全国の看護師、医師にみなさまに感謝の気持ちを届けるためのお参りをしてきました。
ふと空を見上げると・・・
元気よく駆け巡るウサギ(ウサギに見えるかしら?)が空に浮かび出ている気がしました。
さらに、御本殿の後方からもイナバの白うさぎと一緒に拝見します。
瑞垣 (みずがき) に囲まれていますが、後ろ側からも、御本殿の荘厳なお姿を拝むことができます。
御本殿の西遥拝場
御本殿の西側には、ひっそりと本殿西遥拝場があります。
御本殿の正面は南向きですが、殿内の御神座は西向きとなっています。こちらには、以下のような看板がありました。
昔よりご参拝の皆様は大神様に向い合い御神座正面から拝しております。
先ず御本殿正面で御拝礼の後端垣にそって摂末社を参拝され、後神座正面に当たる此の場所より再度心を込め拝礼なさいます。
ここは大国主大神の正面に向かってお参りすることができる場所です。
最後は、こちらで拝礼します。
かつての出雲大社本殿
ところで、島根県立古代出雲歴史博物館には、平安時代の出雲大社本殿の模型があります。
10世紀に、雲太 (うんた) ともよばれる、高さ16丈 (約48m) という日本一高大な本殿があったという学説に基づいています。縮尺は1/10です。
実際の心御柱 (中心の柱) の直径は約3.6m、階段の長さは約109mだったと考えられています。
御本殿の前にある赤い丸は、2000年に、柱材が発見された場所です。
古代には48メートルの高さを誇ったと言われる出雲大社本殿。この高さの本殿を支えるには巨大な柱が必要だったことが分かります。
しかし、2000年、境内の地下1.3メートルから大型の本殿遺構が見つかり、柱材が出土したことで、鎌倉時代前半の1248 (宝治2) 年に造営された本殿を支えていた柱である可能性が極めて高くなったそうです。
実物は、島根県立古代歴史博物館に展示されています。スギの大木3本を1組にし、直径が約3mにもなる巨大な柱ですが、境内地下を流れる豊富な地下水のおかげで、奇跡的に当時の姿をとどめて出土たそうです。
参考資料:島根県立古代出雲史博物館
博物館では、神話に記された「八雲立つ出雲」を象徴する美しい雲と光りのうつろい、耳を澄ませば境内で聞こえたであろう様々な音の情景を約20分間の音で演出しています。
この姿を思い出しながらお参りすると、また格別でした。
おみくじ
お参りした後は、おみくじを引きました。
出雲大社のおみくじには、「吉」や「凶」がありません。その代わりに、その人に必要な心構えや戒めなどが書かれており、それを神様からのメッセージとして受けとめることで、よりよい運勢に恵まれるそうです。
神の恩恵の賜物である日々の生活の御恩 (ごおん) を知り、一心に業を励めばいいようです。忘れないように、この1年過ごそうと思いました。
引いたおみくじは、境内の決められた場所に結びました。
御守り
御守りは、一般的な家内安全や開運・健康・厄除け・安産などの他、縁結びのお守りや幸縁むすびストラップなど、たくさんの種類がありました。また出雲大社では、ご朱印をいただく場合のご朱印料は決まっていませんので、ご自身の気持ちで納めるようです。
古くなった御神札や御守りは、どのようにすればいいのか迷うこともありますが、遠方の方は郵送でお返しすることもできるそうです。
詳しくは >>> よくあるご質問
1年の初めに
2021年の最初の記事は、出雲大社への初詣のようすをご紹介しました。お出かけされない方も、写真で参拝気分を味わっていただければ幸いです。
初めて初詣を早めに済ませたので、なんか不思議な気分です。御守りは、今日からポーチに入れました。
今年は明るいニュースがたくさん聞かれ、心穏やかな1年になりますように!
今年も、どうぞよろしくお願いいたします。